隠れた問題

「アリバイのための仕事」という表現が出てきました。どうも、やっている仕事内容を見たときに、アリバイのためにやっているのではないか、と疑われる場合があるようです。何がアリバイのための仕事なのかわかりにくいので取り上げてみます。この現象の定義、特徴、そしてその影響について掘り下げていきます。

アリバイのための仕事とは

「アリバイのための仕事」とは、以下のような特徴を持つ労働行動を指します:

  1. 仕事はしているが、実質的な結果は出ていない
  2. 最初から結果が出ないことを前提としている
  3. 仕事をしているという外見を保つことが主な目的

この現象は、一見するとがんばっている行動のように見えるかもしれません。しかし、その背景には複雑な要因が絡み合っていると考えています。

顕著に見られる

興味深いことに、この現象は特定の年齢層や産業において、より顕著に見られる傾向があります。たとえば、50代スタッフにこの現象が多く見られます。まさに同世代のことであり、気になるのです。50代に偏る理由として、以下が考えられます。

  • キャリアの停滞感(新しいスキルを習得していないのが原因)
  • 急速な技術変化への適応困難(どの時代にも技術変化はあった)
  • 長年の仕事によるバーンアウト
  • 退職が接近しているので安全優先になる(あと・年とカウントしている)

斜陽産業における

さらに、斜陽産業においてこの現象が顕著に見られることも気がついています。

  • 組織の変革への抵抗(無気力)
  • 不安からくるリスク回避行動(最低限の評価で乗り越えようとしている)
  • 将来性への悲観によるモチベーション低下
  • 市場ニーズとスキルのミスマッチ

歴史は繰り返す

技術革新や世の中の変化スピードが速いときは、アリバイのための仕事をする人が出てきやすい。これは、常に繰り返している事実です。「これだけやっているでしょ」とプロセス評価を自分たちで求めてくるのです。しかし、評価というのはまわりが決めること。特に「プロセス評価は他人が評価」してはじめて価値があります。自分でプロセス評価を主張するのはプロの世界ではあまり見かけません。

まとめ

「アリバイのための仕事」は、組織が抱える隠れた課題のひとつです。思い出しました。あるニュースで「働かないおじさん(おばさん)」特集をしていたのです。ただ、アリバイのための仕事をしている人は「働かない」わけではありません。一生懸命頑張っているのです。しかし、根底では、「無理」「結果なんて」と思っていることに問題があるのです。結果が出るような内容まで考えられないことに問題があるのでしょう。まずは行動の前に結果が出る戦略と戦術を突き詰めて考えることからスタートです。

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