多能スキル

人手不足の解決法の中に、「多能スキルの人」を採用する、育てる方法があります。1人て2役を演じてもらうスタッフです。もともと製造業では、「多能工」と呼んでいました。複数の機械の操作をできる人のことです。多能工スタッフの方がいると、生産量が上がります。製造工程で停滞する部門に多能工の方がフォローに入るとボトルネックが解消し、生産量が増えていくのです。現在の人手不足も同じようなことが発生しています。人手不足が原因で売上が伸びない話は聞いたことがあるのではないでしょうか。それを解決するために多能スキルの人が社内に何人かいることで解決できる可能性があるのです。

専門職から多能へ

従来の日本企業では、ひとつの専門分野に特化した「専門職」が重宝されてきました。しかし、近年の急速な環境変化や人材不足の現状を考えると、複数のスキルを持ち合わせた「多能工」の価値が高まっていきます。これからは、「多能工スタッフ」に価値が発生していくのです。それを実現するには準備が必要。多能なスキルを持つ人に対して、相応の報酬を支払う評価制度にしなければならないと考えています。多能スキルによって1.5人分の成果を出せる人がいるならば、それなりの評価をしなければ多能スキルを身につけたいとは思わないでしょう。

手当新設

「複合スキル手当」「多能スキル手当」という新しい手当を設けることも効果的。資格手当と同じような規定内容を新設するのです。社内資格という位置付けでもいいのではないでしょうか。手当の金額も魅力が発生する金額設定にする必要があるでしょう。多能スキルを習得したほうが得すると思える金額にすることがポイントです。採用コストが上昇しているときは、このような多能スキルスタッフを増やすことを優先すべきだと感じます。

注意点

単に多くのスキルを「広く浅く」持つだけでは真の多能工とは言えません。核となる専門性(コアスキル)を一つ以上持った上で、関連スキルを広げていく方針を明確にし、評価制度にも反映させることになります。ここが企業ごとのノウハウになります。どの程度のレベルを超えたらスキルを習得したとみなすのか。その点を決めていくことになります。

まとめ

人材不足という課題を前向きに捉え、多能工スタッフの育成と適切な評価を通じて、組織の生産性を高める好循環を生み出すことが可能。検討する価値はあります。ただ、準備や評価制度の改革は簡単には実現しません。まずは小規模な導入からスタートし、実際の効果を見ながら徐々に拡大していくアプローチが現実的でしょう。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)

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