半分で撤退
ひとつの事象に対して解釈は分かれます。
・撤退
と表現された戦略がありました。大手住宅メーカーが新築の全国販売をやめる決断に関してです。約半分の県で「住宅部門」を再編成するのです。半分の県では
・新築受注取りやめ
になると発表。それが「撤退」と報道されています。
よく見ると
確かに新築受注に関しては「撤退」なのですが、よく見ると他の戦略は盛り込まれています。新築の注文住宅(自由企画)の受注は
・5000万円を基準
としています。金額の限られた新築住宅は無理して受注しない。そう決めたわけです。建設費高騰になっている状況では、有益な戦略だと感じます。
住宅は金額が小さくなっても工数は変わりません。また、予算の限られた顧客への販売は低粗利率で受注することも増えるので、安定した受注内容にはなりません。無理して受注すればするほど、粗利率は下がり、売上はあっても利益が出ない可能性が高くなるのです。
安定した粗利率を維持するには、高額な案件だけに絞るのは現状の背景を考えると正解です。この、狙った受注単価が根底に戦略としてあり、その上で「新築受注をしない半分の県を選定」という決断に至ったと想像しています。
この戦略、結果的には値上げ
また、高額案件の受注に集中することで
・実質的な値上げ
も行うことになるでしょう。あくまでも想像ですが、値上げしやすい環境をつくっていると感じます。全国一律の値上げは行うのに高い壁がありますが、このような集中したエリアだけの値上げは企業としても実施しやすいのでは、と感じます。
地域性の二極化
今回発表された内容で、新築受注をする県を見ると、想像通りの選択になっています。関東、中部、関西、中国、九州と都市部に偏っています。また、太平洋側に偏っているのもわかります。そうなると、地域性の二極化が表現されてしまった、と見ることもできます。
ビジネスをするうえでも、この大手住宅メーカーの選択も参考にする価値があると思います。
まとめ
撤退だけを見るのではなく、戦略の本質を見て判断したいと感じました。この戦略が実行されるほど、受注活動も変なプレッシャーがなくなり、仕事に集中できるのではないでしょうか。
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執筆・運営 :藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) fjコンサルタンツ :『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』
