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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

倒産確率を社内に伝えるのか

倒産確率30%、と社内に公開した星野リゾート。
社内の意識を変えるためにトップである社長が
あえて会社の倒産確率を社内に伝えました。

思い切ったことなので新聞でも取り上げられています。
ではこうした意識改革の方法、具体的には会社の
倒産確率などの危険性を社内に伝えるというのは
やったほうがいいのでしょうか。

こうした事例が新聞などに出ると、すぐに自分の会社に
取り入れる経営者の方もいらっしゃいます。

結果はやってみないとわからないので、会社の危険度を
伝えることによって社内の意識が変わり改善する
ケースもあるかと思います。

しかし、いきなり社長が
「うちの会社の倒産確率は◯割だ。しっかりするように」
と言い出したらスタッフの方はどのように思う
でしょうか。
衝撃を受けると思います。

事例

実際にあった話しを書き記します。
実際に直接聞いた話です。

その当時、社長は資金繰りに苦労していました。
そのせいで疲れも溜まり、会社に行っても気持ちが
晴れない状態でした。

社内の雰囲気は気が緩んでいるように見え、社長と
しては危機感を持ってもらいたいと痛切に感じたそうです。

毎週行われる朝礼で社長がこう発言したのです。
「会社の状況を見つめてほしい。危機感を持ってほしい。
現場は気持ちが緩んでいるのではないか。このままでは
皆さんの給料が払えなくなるかもしれない
」
と言ってしまったのです。

会社に緊張感持たせるために発言したこの言葉が
引き金になってしまいました。
コトバがひとり歩きしはじめたのです。

社内でも、『会社が倒産するのではないか』という噂が
広がり、外部の関係する会社にも伝わってしまったのです。

取引をしていた会社から、商品の仕入れ等に制限が
出たり、中には会社まで状況を見に来る方もいらっ
しゃったそうです。

実際には経営がそこまで行き詰まっているわけでも
なかったのですが、社長の発言が社内を動揺させて
ステークホルダーまで巻き込んでしまったのです。

その後、噂を払拭するのに半年以上かかりました。
社長の発言で一気に信用を失った事例のひとつです。

マイナス面を伝えるとき

こうして考えてみると、会社のマイナス状況について
社内に告知するときは細心の注意がかけるほうがいい。

倒産確率何割と伝えることができる会社は限られて
いるのではないでしょうか。

経営者とスタッフが信頼関係でつながっており、
1つの方向に向かって一致団結している場合はストレ
ートにマイナス状況を伝えても問題はないと思います。

しかしそれ以外はマイナス状況をストレートに表現
するのは控えたほうがベターだと思います。

まとめ

社内のスタッフに危機感を持ってもらうというのは、

①自主的に動くスタッフになってほしい
②会社の問題を自分のこととして捉えてほしい
③課題解決をするのは自分だという当事者意識を持ってほしい

の3つに集約されると思います。

そうであるならば、会社が倒産するんだという
マイナス表現をする必要はありません。

単に当事者意識を持って、自分事として課題解決に
自主的に取り組める人が育てば良いだけです。

シンプルな方法があります。
「これは誰がやるんですか」
と社長が社内に向かって発言するだけです。

課題が見つかったり問題が起こったときに、
【誰が解決しますか】
と確認するだけです。

ここに社長の意思が入っており、それを聞いた
スタッフは徐々にその意味を理解するようになります。

このプロセスがない場合、スタッフは『会社が課題を
解決してくれるだろう
』と他人事のように捉えたり
『他人任せ』にしたり、『会社に依存』したりします。

ほんとにこの辺は紙一重の差です。
大きなことを言う必要もないと感じています。

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