【fjコンサルタンツ365日Blog:3663投稿目】〜3ヶ月で1冊分の知識転移〜
多様性を考えていた
ちょうど年末に企業の価値観の
多様性について考えていました。
当ブログでも取り上げています。
そんな中、2年前のデータですが
「女性役員がある一定の割合以上に
なっている企業には特徴がある」
という調査を見つけたので深く
掘り下げてみます。
調査概要
米国のシンクタンクである
調査した結果があります。
2016年の調査報告です。
「Is Gender Diversity Profitable? Evidence from a Global Survey」
調査したサンプルは
・21,980社
で91カ国に本社を置いています。
過去、別の調査では2,000社のサンプルで
結論は出ていなかったようです。
そのためこの調査ではサンプル数が多い
のです。
約22,000社のサンプルを見てみると
女性役員が記録されているのは4割に
しか過ぎず、6割では記載がなかった。
(13,017社で記載なし)
実際に女性役員がいない企業は5割 に
も及んでいます。(11,802社)
女性役員が1人いる会社の数は約3割の
7,000社程度という結果です。
女性CEOの割合は5%未満の945社しか
なかったということです。
企業業績向上に相関があるのは・・・
この調査でわかったことがあります。
それは、企業業績向上に相関があるのは
・女性役員の割合
だということ。
ここでは役員の中における女性の割合を
指しており、企業のトップ(CEO)に
ついては相関関係、影響がないと言い
切っています。
女性CEOだから業績が向上するという
関係(影響)は見い出せなかったと
いうことです。
では、女性役員の割合がどの程度あれば
業績と相関関係があるのでしょうか。
1つの指標が
・女性役員3割
です。
下記グラフをご覧ください。
縦軸が「女性役員の割合」(percent of women on boards)
で
横軸が「女性役職者の割合」(percent of women executives)
になっています。
わかることは、
①約3割の企業は
・女性役員:5%未満
・女性役職者:5%未満
であること。
②約8割近くの企業が
・女性役員:3割未満
・女性役職者:3割未満
に集約されていることです。
女性役員3割の会社は利益率が15%高い
女性役員の割合は業績にどの程度
相関関係があるのでしょうか。
女性役員の割合が3割の会社と
女性役員0人の会社の比較が
あります。
女性役員3割の会社の方が
・利益率15%高い
という結果になっています。
このように見てくると、指標が
明確になってきます。
・女性役員の割合に相関関係がある
・女性役員の割合3割が分水嶺
ということです。
女性役員の割合が3割を超えてくると
業績に連動するという結果になることが
予測できます。
30%クラブが2019年春に日本でも
2010年に英国ではじまった「30% Club」
という活動があります。
これが2019年春に日本でも活動開始
するようです。「30% Club Japan」
現在、日本では上場会社における
女性役員の割合は3.7%(2017年時点)。
大型株であるtopix100では6.5%。
2030年までにtopix100で女性役員の
割合を30%にする目標を立てています。
女性役員の割合がすべてではありませんが
多様性がある視点で経営する方が利益率も
高く、また困難な場面でも乗り越える率が
高いことを知っておくことだと感じます。