【fjconsultants365日Blog:3,758投稿目】fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
リーダーシップのタイプ
リーダーシップにはタイプがあります。武道でいうところの「型」みたいなものです。
これが時代によって変化していきます。
スタッフの気質が変化していけばリーダーも自然と変化してくるということです。
では、今後のリーダーシップとはどのような形に収まっていくのでしょうか。
日本は人口も減少し始め、市場はこれ以上大きくならない業界が増えています。
そんな環境下でリーダーシップを発揮するには、今までと同じでは通用しないことはわかっているはず。
それをタイプ別に考察しながら考えていきたいと思います。
リーダーシップの種類
リーダーシップの種類には諸説があります。すべてを網羅することは今回行いませんが、下記の5つのタイプ(型)を取り上げて考えていきたいと思います。
- 取引型
- 変革型
- オーセンティック型
- 支援型
- 参加型
の5つ。
これを振り返りながら、過去・現在・未来のリーダーシップ像を考察します。
取引型:トランザクショナル・リーダーシップ
取引型のトランザクショナル・リーダーシップとは「アメとムチ」を行うリーダーのこと。
部下と取引きを行いながら運営する手法のことです。
成果には報酬をちらつかせ、失敗には罰を与えるようなリーダーを指しています。
「昭和的」リーダーと呼ばれることもあるリーダーのタイプで人参をぶら下げるタイプとも呼ばれるでしょう。
特に業務結果が数字で出てくる営業部などにはこの手のリーダーがいます。
今は、
「そんなリーダーがいました」
と過去形の会社もあるのではないでしょうか。
この手のリーダーは自然消滅すると見込んでいます。
この手法だけで人がついてくるとは思えません。
変革型:トランスフォーメーショナル・リーダーシップ
変革型のトランスフォーメーショナル・リーダーシップは別の言い方をされることがあります。
それは「カリスマリーダー」と呼ばれています。
スタッフのモチベーションを高め会社の方針、方向性へと導いていき目標に向かって強いパワーで引っ張っていくリーダーのことです。
変革期に活躍するリーダーシップで企業が急拡大する時に脚光を浴びることが多いタイプのリーダーといえるでしょう。
一代で大企業を築いた経営者は変革型リーダーシップの代表者です。
その会社の中に、さらに複数人の変革型リーダーがいるのも事実。
強烈なパワーを持ちながら、時には個性的なリーダーであり真似することができないタイプのリーダーになります。
再現性がないので変革型のリーダーの出現を待つしかないのがネックです。
オーセンティック・リーダーシップ
オーセンティック・リーダーシップを考えるには、利益(生産性)とモラルの関係を考える必要があります。
モラルがあると利益(生産性)が伸びるのか、という前提を問われるからです。
最近では、ようやく利益(生産性)にはモラルが必要だ、という意見になりつつあります。
モラルを無視した経営が破綻するケースがあるからです。
オーセンティック・リーダーシップとは
「ホンモノのリーダー」
と呼ばれています。真のリーダー、正しいリーダー、本物のリーダーということになります。
抽象的すぎるので特徴を見ていきます。このリーダーの特徴は
- 自分を客観視する能力が高い
- 高い道徳観が身についている
- 高い情報処理能力
- 自分に不利な情報に向き合う能力が高い
- 言行一致(人間関係の透明性)
というところです。
マイナスな状況や環境化に置かれても冷静に情報を受け止め落ち着いた判断が下せること。
また自分に対しても、誰に対しても公平な決断ができるリーダーと言えるでしょう。
言っている内容と行動が一致していることで信頼があるので導かれるスタッフも多いということです。
支援型リーダーシップ:サーバント・リーダーシップ
支援型のサーバント・リーダーシップは、スタッフが働きやすく能力を発揮しやすい環境をつくり、スタッフの理解度や気付きを
重視して能力を高めていく進め方をします。
その支援型リーダーシップの行動は下記になります。
- 耳を傾け ること(listening)
- 共感(empathy)
- 癒すこと(healing)
- 気づいていること(awareness)
- 説 得(persuasion)
- 概念化すること(conceptualization)
- 洞察(foresight)
- 奉仕する心(stewardship)
- 人々の成長へのコミットメント(commitment to the growth of people)
- コミュニティを築くこ と(building community)
引用:「リーダーシップ研究の最新動向」
支援型リーダーの行動を見れば内容は理解できると思います。
こうした支援型リーダーが増えてきたのは、経営が行きつくところまで行ってしまった後に破綻したケースが出てきたからです。
ただ、支援型リーダーといってもリーダーの仕事の中で100%を支援に費やしているわけではないので注意が必要です。
ただ支援だけをすればいいのか、という点は今後議論されると考えています。
参加型リーダーシップ:シェアード・リーダーシップ
参加型のシェアード・リーダーシップとは「共有型」とも言われることがあり、リーダーの仕事をメンバー(スタッフ)を
共有していく形になります。
メンバーでありながらリーダーとして参加してもらう形とも言い換えできます。
一般に「権限委譲する」ということと同じジャンルに当たります。
ここでは、リーダーが1人で経営をしていくことが無理になっている状況があります。
世の中が複雑になっているからです。
そこでリーダーの役割をメンバーに与え、メンバーの能力を高める手法なのです。
単なる権限委譲ではなく、あくまでもメンバーの成長がベースにあることが大切です。
まとめ
リーダーシップのタイプを5タイプ見てきましたが解説した順番がリーダーシップの歴史になります。
取引型リーダーシップ
↓
変革型リーダーシップ
↓
オーセンティック型リーダーシップ
↓
支援型リーダーシップ or 参加型リーダーシップ
の順にリーダーシップが変遷しているのです。
時代のニーズに対応するかのごとくリーダーが変化しているのです。
この変化は、会社のステージにも当てはまります。
創業から成長期のステージにある会社には変革型のリーダーが求められます。
その後にオーセンティック型が求められ組織がつくられていきます。
組織が固まってくると、社員のレベルアップにより支援型、参加型へと移行していくのです。
こうして見てくると場面に応じてリーダーに求められる内容が変わります。
リーダー自身も成長という変化が必要だとあらためて感じた次第です。