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〜1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移〜fjコンサルタンツ藤原毅芳
うちの業界は競争が激しいのか
「うちの業界は競争が激しい」
そんな声を聞きます。
日本は価格競争など外国との比較して競争が激しいと言われています。
なぜなら企業の淘汰が進まずゾンビ企業が生き残っているから過当競争に
なってしまっている。
本来顧客から見離されて存在できない企業までもが残っているのが原因と
言われています。
しかし本当に競争が激しい時代なのでしょうか。
もう一方の面から見れば競争が緩くなってるようにも見えています。
今日はその点について考えていきたいと思います。
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競争が激しいのか緩いのか
競争は競争相手がいて成立するもの。
競争相手の状況によって激しい競争にもなりますし緩い競争になることも
あります。
競争相手の数にも左右されます。
市場が大きい場所は魅力的に見える時もありますが、その分競争も激しい。
市場が10倍大きければ競争の激しさは10倍、もしくはそれ以上になります。
地方から東京に進出し価格競争で負けた、という事例には事欠きません。
そんな中、最近は競争が緩くなってきていると感じているのでその根拠を
取り出してみます。
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勉強しなくなった
最近言われるのが
新聞を読まなくなった
ということ。ここで言う新聞とは日本経済新聞などのオールド
メディアが発行している新聞のことを指しています。
毎月数千円を支払ってニュースチェックするという行為です。
それが今では、ネットニュースへ切り替わっています。
無料が大半ですが中には月間数百円程度の有料版もあります。
今までのオールドメディアが完璧ではありませんが、オールド
メディアを読まなくなったということはある意味競争が緩くな
ったとも解釈できます。
というのも、ネットニュース系だけをソースとしている人は論
調や意見、考え方が画一化されているように感じるからです。
チェックしているニュースの幅が狭いのも特徴です。
新人さんにはお伝えしていますがほとんどの人が新聞を読まない
ということは新聞を読んでいるだけで差別化できるということ。
みんなが新聞を読んでいたらそうなりませんが、今はただ新聞を
読むだけで差をつけることができるのです。
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長時間働けない現実
残業の上限が設定されました。
これにより
長時間労働が禁止
になりました。
会社にいる時間が制限されることになったのです。
実質的な働く時間が短くなっています。
そのためいくつかの弊害が出ていますが、気になるのはOJTの時間です。
(オンザジョブトレーニング)
日本は会社に入社したから仕事を教える、教育するシステムです。
一人前になるまで会社が育てる文化。
これは長時間労働を前提として成立していたのです。
時間い制限ができるということは、教育による成果が出るまでに
時間がかかるようになり教育コストが跳ね上がります。
そのような状況になってくれば会社の教育は限定的になっていき
個人の意識に委ねられるようになっていくと予想しています。
ということは、個人で勉強する、しないの差が大きく開きます。
ここを履き違えて何もしない人が増えているように感じます。
会社から言われないので勉強しない、覚えない、技術向上を目指さない
といった現象です。
これも競争が緩くなる要因。
地道に勉強したり、技を磨いたりする人が最後には成長することが
保証されているようなものです。
仕事の王道がシンプルになっているのです。
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変わらない力が飛び抜けている
日本の企業は海外の企業から見ると「変わらない力」を
持っていると表現されます。それが
日本の変わらない力は異常
とまで表現されるようになっています。
異常なのです。
そこまで変わらない存在だと見られているのです。
ということは逆な道を歩めば簡単に競争優位に立てるということ。
「変わる」ことだけで優位に立てるのです。
これ、経営者にとってはありがたい状況です。
変化に対応できる、変わることのできる組織をつくることで
競争優位な企業へと変身できるわけですから。
実に明快な状況だと感じます。
状況や時代に応じて「変わる会社」になればいいだけ。
そう考えると経営戦略もシンプルになるでしょう。
まとめ:勝ちやすいのか競争が激しいのか
競争が激しいと捉えると勝ちにくいと感じますが、競争が緩いと
捉えると勝ちやすい状況になります。
競争の激しい業界を経験しているとわかりますが、適正な競争は
ある程度必要なのです。
ただ、無意味な競争は避けるべき。
その時は勝ちやすい路線を選択すべきなのです。
経営は、
「勝ちやすい」場所を探すこと
ということ。
そのためにもう一方の面から見ていくことも意味があることだと
感じています。