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~1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

生産性を上げる模索が続く

人手不足が続く中、コレという解決策はうまれていない。
人が不足している中、やらなければならない仕事はそこにある。
どうするのか。
ひとつには生産性を上げること。
そう、そこに行き着きます。
しかし、
どうすれば生産性が上がるのか?
そこに導くプロセスは?
手探りの状態が続いています。
特に中小企業。
成功事例が出てこない。
とりあえず電子化、デジタル化、システム導入をすることから
はじめている会社もあります。
では、いったいどんな会社が生産性が高いのか。
そんなことさえ、まだよくわかっていないかもしれません。
今回は生産性が高い企業の特徴を探ってみたいと思います。

もっとも重要な経営資源とは

経営者が考える重要な経営資源について
次の項目の中からもっとも重要だと考える経営資源は
なにか?
(「中小企業の労働生産性に関する一考察」より抜粋)

  • 従業員
  • 賃金
  • 企業イメージ・ブランド
  • 設備
  • 情報

このアンケート調査結果が下記になります。↓

中小企業の生産性
「中小企業の労働生産性に関する一考察」
https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=4586&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

労働生産性が高い企業と低い企業に分けて結果をあらわしています。
労働生産性が高い企業ほど「もっとも重要な経営資源」は「従業員」と
答える割合が高いことがわかります。
人財に重きを置いていることがわかります。

製造業では、労働生産性が低い企業ほど「設備」が重要な経営資源と
答える割合が高いのが目に付きます。
人財より設備の方が重要と考えている可能性があります。

正社員の定着率は

正社員の定着率は、労働生産性が高い企業ほど良い↓
これは予想通りの結果だと感じます。
正社員の定着率が高いほど従業員の会社に対する安心度が高い。
安心度が高いほど「能力を発揮」します。
これはセキュア・ベースの概念。
安心基地があると人は成長するし能力を開花させるのです。
大切なポイントです。

中小企業の生産性
「中小企業の労働生産性に関する一考察」
https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=4586&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

時間あたりの労働生産性水準

下記のグラフは業種別時間当たりの労働生産性の水準。
1人当たり、時間当たりの付加価値額金額をあらわしています。
水準が高いのが「不動産業、物品賃貸業」で5,097円。
もっとも低いのが「宿泊飲食サービス業」の1,749円。
3倍近い開きがあります。

こうした1人当たりの指標を比較することは今後大切に
なるでしょう。
生産性を考えるときには一人当たりの付加価値額や売上、粗利、
経常利益などの指標が目標になってくるのです。

中小企業の生産性
「中小企業の労働生産性に関する一考察」
https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=4586&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

雇用形態と賃金体系は

雇用形態と賃金体系については下記になっています↓
労働生産性の高い企業は「終身雇用」を前提にし、
「年功序列」の賃金体系を採用している割合が高い傾向にあります。

この傾向は今後、争点になると思われます。
大企業は終身雇用と年功序列を放棄しはじめています。
中小企業のメリットとして終身雇用と年功序列が残ると考えて
いるからです。
そのためにも「生産性」を上げながら終身雇用と年功序列を
維持していくことになるでしょう。

中小企業の生産性
「中小企業の労働生産性に関する一考察」
https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=4586&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

まとめ

このように傾向を見てみると、中小企業は設備投資、システム投資で
生産性が上がることが少ないように見えます。
しかし、それは投資金額が少ないからだと予測しています。
投資金額を上げれば労働生産性は向上するのはまちがいありません。
しかし、結果が出るまで投資できないという現実もあるのです。
そうなると、人財が重要になる。
そこが生産性向上のスタート。
人財となるスタッフに能力を発揮してもらいながら、しかも
成長し続ける環境が社内にあること。
ここが生産性向上のポイントになるということです。