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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
ビジョンにクレージー
クラシエホールディングス株式会社という企業があります。
http://www.kracie.co.jp/company/info/
元は、カネボウ。
カネボウから医薬品、食品事業、日用品の部門を継承した会社です。(旧カネボウとは資本関係はありません)
カネボウの化粧品部門は花王グループに譲渡されており化粧品はこのクラシエホールディングス株式会社にはありません。
そのクラシエのビジョンがユニーク。(下記↓)
ビジョンに「クレージー」という言葉が使われています。
なかなか見ない単語。
クレージーという言葉はもともと「熱狂的な」という意味ですが実際には「気が狂っている」というイメージが染み付いている言葉です。
そのため、こうしたビジョンには適さないと思われています。
スタートアップ企業ではあえて目立つために使うことはありますがそれ以外で使われるのは珍しいのではないでしょうか。
この「クレージークラシエ」というビジョンも「狂っている・・・」という意味で取られてしまうというリスクを承知で使用していると思われます。
そのリスクを突破してでもビジョンに採用するからには、それなりの理由があるのでしょう。
CRAZY創造部
クラシエホールディングス株式会社には
【CRAZY創造部】
という部署が存在しています。
全国にある部署を訪問してこの「クレージークラシエ」というビジョンを浸透させる仕事をしている部署です。
このビジョンには
「きのうまでの常識を超えていく。」
というフレーズがあります。
そのためには、失敗を恐れない姿勢で仕事に取り組み革新を成し遂げる目的が見えてきます。
採用ページにも
リクルートのウェブページにもクレージーなチャレンジを社内事例(先輩社員事例)として取り上げています。(下記↓)
NO6はトップである社長の失敗談を取り上げています。そうなると若手からトップまで「クレージーチャレンジ」に取り組んでいる会社として見えてきます。
それを狙って、ポジショニングしているのがわかります。
革新はクレージーでちょうどいい
企業規模や企業の歴史のよって会社を革新するための壁の高さが違います。
規模が大きいほど、歴史があるほど革新のための壁は高い。
高いほど壁を壊すにはパワーが必要になってきます。
それをこのクラシエという会社は「クレージー」という表現で打ち壊そうとしているように見えます。
そう、「クレージー」でちょうどいいと考えているのです。
まとめ
会社の文化を変えるときに『ビジョン』は有効です。
ビジョンの内容は、理解しやすく、また行動をうながす内容であることです。
クレージークラシエというビジョンは、次に何をしなければならないのか明確です。
クレージーな姿勢で、きのうまでの常識を超えることを求められています。
業績が右肩上がりの企業には、わかりやすく明確なビジョンがあることが多いと感じます。
どこまでやるか、がビジョンを読む人に理解されていくからだと思います。
今回の事例もそのひとつ。
参考になる事例です。