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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
徒歩圏内
生活が徒歩圏内になってしまった。
自転車復活。
仕事も生活も数キロ圏内で事足りている。
もしくは、数キロ圏内の人しか動いていない。
そんな生活になっていませんか。
地方では自動車移動なので最低限の生活は変わらない。
しかし、不要不急の外出はないので『苦行だね』と
言っている人もいます。
春になり自然と本能的に外出したくなる季節。
この時期にこうした狭い領域での生活は何かを
示唆してくれるものです。
今回は今後の生活圏の変化について考えてみます。
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コンパクトシティー
コンパクトシティーという概念があります。
都市を小さくすることで
- 人口密度を高め
- 土地利用の密度を高め
- 交通エネルギー消費を削減
させる都市政策です。
人口密度と交通エネルギーの関係です。
(参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscej/2005/786/2005_786_786_135/_pdf/-char/ja )
古くから議論されている都市政策。
これが今回の新型コロナウイルスをきっかけに取り上げられる
かもしれません。
実際に外出抑制の現在は、まさにコンパクトシティー。
徒歩圏内で生活をしています。
出社する人も徒歩、自転車だけに限っている会社もあり
これもまさしくコンパクトシティーの通勤スタイル。
徒歩圏内しか機能していないのです。
エネルギーの観点から見れば、今はミニマム生活になっており
コンパクトシティーの目的は達成しています。
公共交通機関も不要なレベルで生活している現在は、省エネ
生活スタイルと言えるでしょう。
ミニマリストの生活スタイルを全員で取り組んでいるような
感じがします。
都市と地方が同じになる
もうひとつの視点で考えてみます。
徒歩圏内での生活になると都市の利点を享受できません。
便利な施設が数多くある。
それが都市の利益であり、都市部に住むメリットです。
現在は利益を享受できず都市部ではかえってストレスが
増加する要因となっています。
徒歩圏内だけで生活するならば、都市と地方の差がなくなります。
現時点に限って言えば、自動車保有率の高い地方の方が
メリットが大きいのではないでしょうか。
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まとめ
コンパクトシティーの概念は、エネルギー消費の観点で
提案された考え方です。
移動距離が短いほうがエネルギー消費が少ない。
また、地方行政においてはコンパクトシティーの方が
財政もミニマムで維持できます。
実際に人は集まって住んだほうがいい。
そうなるのです。
今回は、都市部においてもコンパクトなエリアで生活する
という実験が行われているに等しい。
限られたエリアの圏内だけで生活を成立させる。
仕事も成立させる。
これでもいいのではないか、と思わせるような社会実験です。
生活が原点回帰になり、パンやお菓子をつくる人が増え
家で過ごす時間が増えています。
リビング回帰という言い方もできるでしょう。
こうした行動変容が次の時代をつくっていきます。
それに合わせた社会へと変容していくでしょう。