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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
前回と同じくらいなら
「前回のリーマン・ショックのときは
これくらい売上が下がったので今回も・・・」
と言っているのを見ることが最近でもありますが
疑問です。
今後は大丈夫なのか、と心配になります。
前回のリーマン・ショックと今回は違います。
前回の経験則は何の役にも立ちません。
経験としてはリーマン・ショックと乗り切ったという
過去があるだけです。
『成功体験(過去)は忘れることだ』
というコトバがありますが、そのとおりだと
感じます。
もう少し詳しく解説すると、リーマン・ショックを
乗り越えられたから今回の新型コロナウイルスが
乗り越えられる根拠にはならないということ。
ただそれだけです。
現実は予想通りにならないどころか、冷酷な事実を
もって迫ってくることもあるのです。
経験以上を考えないのか
リーマン・ショック時に売上が3割減少した
企業があったとします。
今回も3割減は行くだろうと予想するのは正しいですが
3割減で終わるのかはわかりません。
経験で考えるのは、ある意味部分的であり
今後の全体を総括できないからです。
下記グラフをご覧ください。↓
国際旅客輸送の距離をグラフ化したものです。
右肩上がりでグローバルな移動が増加していたのが
わかります。
航空機市場もこれから数十年はマーケット拡大する
と言われていました。
そのため、国際便増加、航空機増加と勢いが
あった分野です。
このグラフを見ると今回の落ち込み幅は一目瞭然です。
過去に落ち込みがあった
・米国同時テロ:2001年
・SARS:2003年
・リーマンショック:2008年
の下げ幅が小さく見えます。
過去の経験なんて何も意味がないくらいに打撃を
受けているのがわかります。
『信じられない』状況なのです。
対岸の火事ではなく
航空業界を見て、どう感じるのか。
『大変だなあ』と対岸の火事として見るのか、
自分たちの業界も同じようなことが発生すると思うのか。
トヨタ自動車はリーマンショック時と比較して
手元資金を2倍以上積み立ててきましたが今回の
新型コロナウイルスによって金融機関から1兆円の
調達を発表しています。(融資枠の設定)
なぜでしょうか?
今回は前回と違う、と認識している証拠なのでは
ないでしょうか。
(一説には自動車ローンの破綻を懸念しているようです)
念には念を入れる。
そんな行動に見えてきます。
経済損失はどこまで
世界中の経済成長率を見たとき、リーマンショックの
時は0.1%減少でした。
今回の新型コロナウイルスでは、マイナス3%になる
可能性があるそうです。
実に500兆円の損失。
日本の経済活動が1年間分そのまま蒸発したような規模です。
コロナ融資は不良債権の山に…? 現役行員が明かす「驚くべき内部事情」(小野 一起)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72884
まとめ
今回は予測を正確にすればするほど、ケタ違いの
大きさになっていきます。
すべてがフリーズするというのは、経済に与える
影響が巨大だというのがわかります。
とはいっても、目の前のビジネスでやることは
原則に忠実に、しかもフットワーク軽く進めるだけです。
緊急事態宣言解除後に感じるのは、集中力の低下。
これは今後の業績に直結するので集中力を高めて
仕事をするペースに戻さなければ、と最近感じています。