【fjconsultants365日Blog:4,275投稿目】fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
余裕率に注目
最近は、企業経営の
【余裕率】
が取り上げられるようになりました。
それまでは、企業はどれだけ利益を出したのかを問われていました。
それが今では、継続性を問われ、余裕率が評価になっています。
ニュースでも取り上げられる事項になっているのです。
損益分岐点比率とは
余裕率を考えるときに
【損益分岐点比率】
から導いていきます。
損益分岐点比率とは
実際の売上高に対して損益分岐点売上高がどの程度の割合になっているのかをみる財務分析の収益性の指標となります。実際の売上高100%に対して損益分岐点売上が何%なのかを算出するものです。
損益分岐点比率の割合は低ければ低いほど売上高の減少に対しての赤字への耐性が強いことで良いとされています。業種や業態、または企業規模の大小で変わりますが、損益分岐点比率は一般的には80%を下回っていれば優良であるといわれています。
損益分岐点比率の計算方法は以下の通りです。
損益分岐点比率(%)=損益分岐点売上高÷実際の売上高×100
実際の売上高が1,000万円で損益分岐点売上高が800万円の場合、200万円が損益分岐点売上高を超えています。損益分岐点比率は以下の通りとなります。
損益分岐点比率=800万円÷1,000万円×100=80%
https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/break_even_point_ratio/
要するに、損益分岐点比率が100%以下になっていれば耐性が強いと判断されます。
現在の売り上げが何%まで下がっても黒字を維持できるのかが数値であらわされるのです。
各社の損益分岐点比率
現在の損益分岐点比率について主要業種の数値が出ています。(2020年4月〜6月)
例えば、余裕があるのが
・医薬品:40%
で、売り上げが半減しても黒字を維持できるレベルです。
自動車は101%になっており、現状が損益分岐点ギリギリになっているのがわかります。
空運については、300%になっており、売り上げが現在の3倍にならないと利益が出ません。
損益分岐点を大きく下回っているのがわかります。
上場企業の減収に対する耐久力が落ちている。どのくらい売り上げが減ると赤字になるかを示す「損益分岐点比率」をみると、2020年4~6月期は19業種が1割減収となっただけで赤字になる同比率90%超の危険
まとめ
余裕率を考えて経営する。そんなことができない現状があります。
というのも、去年と今年、来年が継続して景気が続くと予想して事業投資をしている企業ほど余裕がありません。
余裕率が低い。
そのため、イレギュラーなことが発生すると、いきなり危険水域に達してしまうのです。
損益分岐点比率が80%でも優秀とされていますが、現在は7割経済と言われているように、損益分岐点比率60%、70%まで視野に入れておく方が良さそうです。