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~経営には優先順位がある~fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
異次元の世界
日本の中央銀行である『日本銀行』。
ここが今、大きなリスクを取りながらチャレンジをしています。
異次元の世界、未経験の世界へ繰り出しています。
米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)も決断していない選択肢を歩んでいるのです。
それは何か?
日本経済新聞の電子版。日経や日経BPの提供する経済、企業、国際、政治、マーケット、情報・通信、社会など各分野のニュース。ビジネス、マネー、IT、スポーツ、住宅、キャリアなどの専門情報も満載。
大株主
日本銀行が株主なのです。
上場会社の株式を上場投資信託(ETF)を通して購入しているのです。
中央銀行が株式購入を購入している。
スタートは2010年。
その額が膨らんでいます。
そして、国内最大の大株主に躍り出ることになりそうなのです。
累計の上場投資信託(ETF)の額は
・40兆円超(時価)
になっています。
国内最大の株主である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の41兆円を超えるかもしれない、超えたかもしれない、と言われています。
大株主ランキング
日本銀行の所有株式を個別企業ごとに見ていくと中には25%、20%の株式が日本銀行所有になっている上場企業もあります。
日本銀行が買い入れたETFの保有総額は2020年3月末時点で31.2兆円(時価)。買い入れを通じ日銀が「大株主」になっている企業は、アドバンテスト、ファーストリテイリング、TDKが上位3社だ。
この状態を正常と見るかどうか。
過去に経験がないことなので
『正常ではない』『異常だ』
という論調も目立ちます。
また、『出口のない戦略』とも呼ばれています。
株式を購入し所有しても、出口である『売却できない』、という意味です。
これだけの大株主が売却すると確実に株価は下落する。
下落しないタイミングで売却するには株価が上昇気流にある時だけ。
そのタイミングでしか売却できない。
そうなると持ち続けるしかないのではないか。
日本銀行が大株主のままでいるしかないのではないか、と疑問を呈しているのです。
まとめ
東京証券取引所の時価総額合計は687兆円。
https://www.dir.co.jp/InfoManage/pdf/DI02_STOCK.pdf
そのうちの6%を日本銀行が占めていることになります。
巨大になればなるほど舵取りの難易度が上がります。
動きが鈍くなるのです。
一気に動くことができない。
また株価が下落すると評価損も発生する可能性があります。
減った分が損失になるので日銀自体の継続に負担がかかってしまいます。
世界を見回してもまだ結果の出ていない取り組みに日本銀行が先陣を切って試している状態です。
『孤独な先駆者』と表現されていますが、まさしくチャレンジャーと言えます。
しかし、失敗したときはまたバブル後の20年間のような低空飛行になる可能性も否定できません。