fjconsultants Blog:4,728投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
低速EV市場を狙った商品
中国で450,000円から600,000円の価格帯で発売されている電気自動車「宏光MINI EV」。
これを名古屋大学が分解したと報道がされています。
現在中国では人気の商品で月間30,000台から40,000台が製造販売されている状態です。
車体の大きさは軽自動車と 比較すると幅は同じ位ですが全長が 50センチほど短いです。
この電気自動車、なぜここまで売れるのでしょうか。
価格が安いだけではないようです。
中国EV、機能絞り50万円台 コスト減、新市場生む (日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78609970Q1A221C2TEB000/
もともと中国には低速EVという自動車ナンバープレートを発行していないジャンルの4輪車があります。
ナンバーがないので自動車免許は不要。
これが農村部で1,000,000台売れているのです。
しかし安全性が低いので事故が多く負傷者が数多く出ているのが問題になっていました。
この低速EVに規制がかかるのも決まっているようです。
年間1,000,000台というのは決して小さなマーケットでありません。
この低速EVの市場を狙って発売されているのが宏光MINI EVなのです。
年間1,000,000台のマーケットが置き換わるのであれば、現在月間30,000台から40,000台の製造販売が2倍にまで膨らむ可能性があるのです。
日本人が知らない普及台数世界最大の新エネルギー自動車市場 中国の低速電動車市場
https://www.nedo.go.jp/content/100920583.pdf
日本製部品がない
宏光MINI EV に使われている部品中に日本製の部品がほとんど見当たらないと問題になっています。
主要部品、中国勢が独占 (日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO7861002020122021TEB000/
モーターの日本電産が受注したと言う報道が 2022年2月に出ていました。
いつから切り替わるか分かりませんが現在わかっているのは日本電産だけなのかもしれません。
日本電産は中国に大規模な工場を作っており、電気自動車の分野に参入することを公表しています
中国「バカ売れ46万円EV」のモーターを日本電産が受注!それでも日系自動車に迫る危機 (ダイヤモンド編集部)
https://diamond.jp/articles/-/261256
まとめ
日本にも超小型EVというジャンルがあります。
https://evdays.tepco.co.jp/entry/2021/11/04/000022
宏光MINI EVと同じように普段は2人乗れて、最大4人まで乗車できる大きさで、価格が500,000円前後から高くても800,000円以下で発売される商品があれば新しい市場ができる可能性があります。
デフレの日本において、求められている市場なのかもしれません。
業界の方は注目していると感じます。
こうした新市場は既存の自動車メーカーではなく新規参入の自動車メーカーが発売してくるのではないかと予測しています。
まだ自動車業界にも新規市場が残っているのを感じました。