上昇は収まるのか
住宅業界の状況は景気に大きく影響します。リーマンショック前に米国の住宅関連下落を指摘しリーマンショック時期を的中させた方がいるので、現在でも米国の住宅環境は注目されているのです。その米国関連ETFが下落しました。リーマンショックの時のような落ち込み方です。郊外の戸建需要が悪化するのではないかという懸念から下落が先行しています。
これで米国の住宅価格は落ち着くのでしょうか。米国のインフレは収まるのでしょうか。
米住宅関連ETFが大幅安
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63239330V00C22A8ENG000/
1~7月3割下落、リーマン危機並み 金利上昇で購入意欲鈍る
住宅価格は一定の落ち着きを見せるかもしれません。住宅ローンの30年固定金利は現在5%程度。1年前と比較すると2倍になっています。支払額が大きく違うので住宅取得熱は冷める可能性が高くなりました。
こちらは収まらない
しかし、賃貸業界のインフレは加速する可能性があります。賃料上昇です。
その原因は、住宅購入予定者が賃貸へ流れるので需要増加傾向になるからです。
また、賃貸物件はこの数年間、新規建築件数が少なかったのも要因のひとつです。住宅ブームのため賃貸物件の建設件数が減っていたのです。賃貸物件が少ないところに借りたい人が増えれば家賃の上昇は収まらないでしょう。
実際に米国家賃相場は1年前と比較すると、10%から20%上昇しています。中には30%上昇のエリアもあり借りるのも苦労がいるのです。
まとめ
米国のリセッションはいつ発生するのか。
インフレが続き、経済が回っているときはリセッションになることは少なく、インフレが収まってきたとき、併せて企業業績が落ち込むとリセッションスタートとなるケースが考えられます。今回は、その流れを注視しています。
具体的な指標もわかっていますが、現在はそれを指摘する時期ではないようです。また、その時期になれば公開していきます。
(参考)
ちなみに住宅ローン金利が2倍になると返済額はいくら違うのか。
3,000万円の住宅ローンの借入の場合を試算すると下記になります。
- 金利2.5%の場合:月額返済額118,536円(返済総額:42,672,841円)
- 金利5.0%の場合:月額返済額161,046円(返済総額:57,976,566円)
月額返済額が42,000円上昇する試算になります。30年間返済した場合の総額差は実に1,500万円超にもなる計算です。
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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,954投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆