課題解決のテクノロジー
ゆっくりとドローンが飛んでいる映像。見ていると何の特徴もないように見えます。ただ、通常のドローンと違ってフワフワとした飛行なのに気がつきます。よく見れば、プロペラがないドローン。プロペラではないところで浮力を生み出し飛んでいます。
これは、イオン・ウィンドウを用いて飛んでいます。プロペラがないため騒音が発生しない。そこが特徴です。ヘリコプターを近くで見たことがある人はわかると思いますがプロペラは騒音問題が発生します。ドローンも同じ。騒音問題が発生するのが予想されているのです。その騒音問題を解決するにはプロペラに代わるものがなければならない。その解決のひとつとしてこのテクノロジーが研究されているのです。
Undefined Technologies社:ドローン開発
https://www.undefinedtechnologies.com/
イオン・ウィンドウ
浮力を発生させる原理は、高電圧をかけるイオン・ウィンドウ(イオン風)を発生させる仕組み。実験の様子はいくつか動画で見ることができます。難点は高電圧が必要なことであり、実験でも20kVから40kVの高電圧を用いています。浮力もわずかなので機体も軽くなければ飛ぶこともありません。
イオンクラフトとは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%88
ビーフェルド-ブラウン効果によってイオン風を作り出して、浮上して空中を飛行する装置のことである。リフターとも呼ばれる。イオンクラフトは、正負が非対称の形状の電極を備えたコンデンサで構成されている。片側の電極は針のように尖らせ、もう一方はアルミ箔のような広い面積を持たせた形状にすることが多い。このコンデンサに高電圧をかけると、大気分子に誘電分極が発生する。誘電体となった大気に、非対称の形状の電極が発生させる正と負の電場から、各々異なる大きさの電気的な力が働き、結果的に大気(イオン風)が発生するとの説明がなされており、その風による浮力で、浮遊・飛行することができる[2]と言われている。煙を使ってその大気の流れそのものをリアルタイムで観測した映像も存在する。
まとめ
プロペラのないドローンが実現されるのはいつのことなのでしょうか。かなり時間がかかると感じます。しかし、プロペラがなくても浮力を発生させられるテクノロジーは実現すると、実現できることも増えてきます。モーターを動力として使っている機構はイオンクラフトに置きかわるのではないでしょうか。飛行機分野に限らず、上下移動する機構が置きかわっていくでしょう。モーターのような回転型動力源と比較して消耗品が少ないので維持費も低くできそうです。
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ビジネスリーダーのための『Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆