為替介入後

1ドル145円のときにドル為替相場に介入した結果、一時的に5円の円高になりました。しかしその後、円安への流れは変わらず結局のところ加入した時と同じような1ドル144円まで戻っています。介入した金額は約3兆円と言われています。

介入とは手持ちのドルを売却しています。手持ちのドルは円高のときに購入しているので、実際のところ今回の介入で為替差益が出ているはずです。その点だけを見ればプラスになっています。

儲かったなんて言えないので黙っていますが、介入の効果が乏しくてもすべてが失敗したというわけではないと判断しているでしょう。今回の介入には意図が複数あると読んでいるからです。

介入の意図

為替の介入はもともと無理なのは、わかっていたのではないでしょうか。しかし、何もしないと不満が出てしまう。そのための対応策として為替介入したと思います。支持率も下がっているときは何かしらアクションが増える傾向にあるので、介入するという行動については想像がつきます。為替介入して円安を止めたいという意図もありながら、円安対策をしているという実績にもなります。また、支持率対策も兼ねた決断だったと判断できるのです。今後も他のアクションが複数出てくるでしょう。

旅行支援もこの時期

10月から全国旅行支援(全国旅行割)が始まるようです。これも景気対策の一環。支持率が下がったときに出してきたのでタイミングが良すぎます。

旅行支援の予算は前から残っていたと言われておりましたが、その通りになりました。2022夏の参議院選挙前に旅行支援の施策が出てくるかと思いましたが、そのときの選挙に関しては与党が勝てる予想が出ていたので何もしなかったと考えています。先送りしていたのではないかと感じています。

まとめ

施策は最善の策を実行していると捉えがちですが、決定する人にとっては自分の利益も考えて決断してることがあるので、その裏側まで考えて見極めしなければならないと思ってます。

なぜ今なのか、なぜこのタイミングなのかを想像することから裏側の意図が見えてくることがあるのです。環境も要因のひとつ。支持率によって施策が変わるのかを見るのもひとつの視点。今後はインフレ対策と称して施策が出てくるでしょう。また給付金のようなお金配りが実施されるかもしれません。

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ビジネスリーダーのための『Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆