誰でもミスをする
英国中央銀行であるイングランド銀行の大失態。2022年9月22日にイングランド銀行が国債の売却を発表。その後、混乱。国債価格は下落し、国債金利は暴騰。6日後の9月28日は国債の緊急購入することに。
この内容についてはメルマガで書きましたので、今回は「誰でもミスをする」ことについて考えてみたいと思います。
市場揺らした「英中銀ショック」って何?
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB297MB0Z20C22A9000000/
失敗したいわけではない
今回のイングランド銀行の判断は、大丈夫という考えのもとに決断されたはずです。過去の量的緩和から量的引き締めに方向転換しているのです。低金利のために国債を買い入れしていました。その国債を売却することで量的引き締めを行おうとしていたのです。他にも利上げも実施しており、利上げと国債売却は量的引き締めのセット施策となっていたのです。
それが失敗。急遽、国債売却だけを取りやめ、国債緊急購入へと場当たり的な対応になっています。量的引き締めのセット施策も崩れ、利上げはしているが、国債は購入するという状態。アクセルとブレーキを同時に踏んでいる形になっているのです。
イングランド銀行もこのような失態を見せたかったわけではありません。しかし、予想通りにはいかなかったのです。
過信は禁物
中央銀行は各国にありますが、正しい判断ができているわけではありません。金融危機を経験し、学習し、対応策を考えているので前よりは発展しているはずです。しかし、失策もあるのです。
「中央銀行だから安心」と過信するのはやめておきましょう。変化の激しいときは中央銀行でも間違うことがあると思った方が良いのです。
この動きを見て
英国中央銀行の失策について各国の中央銀行は悩ましいところではないでしょうか。量的引き締めをしなければならない時期が到来しているのに英国の失敗があると決断できない。そのようなジレンマを抱えることになるのではないでしょうか。
まとめ
誰でもミスをします。その前提で市場を眺めておかなければなりません。ミスをするかもしれない、という予想を常にする習慣にしたいところです。ミスをした後にどうなって進むのか。そこまで推測して、ベストな選択をしていくことになると思います。
ちなみに日本は、量的引き締めはスタートしていません。まだ量的緩和の施策を継続中。方向転換する時期をミスしなければよいのですが。
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ビジネスリーダーのための『Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆