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経済対策の方向性を所信表明より考える

所信表明より

岸田首相の所信表明を見ながら今後を考えていました。「来年六月までに取りまとめます」「5年間で」といった表現が気になりました。具体的にはこれからですが、あまりにも抽象的過ぎる印象です。内容を具体的に取り上げていきます。

経済政策3点

経済政策
「物価高・円安への対応」、「構造的な賃上げ」、「成長のための投資と改革」の三つ

https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/1003shoshinhyomei.html

気になる経済政策は大きく3点。物価対応・為替対応、賃上げ、成長投資になります。物価・為替の対応は直近の変化が大きく対応しなければならない状況。しかも、先日行った為替介入は円安解消にはならず、2.8兆円投入して一時的に5円ほどの円高になりましたが、本日は為替介入前とほぼ同じ水準まで円安に戻っています。結果だけを見れば失敗に終わっており、ここでは経済政策の最初に対応策として述べている状態です。

英国の失敗が直近で発生しているので、今後はどこまで為替介入をするのか見ていきたいところ。為替介入するための手持ちのドルは、もともと15〜16兆円なので、あと同じ規模の為替介入ならば4回から5回は介入できます。しかし、円安解消の為替介入ほど難易度の高いものはないので、慎重な対応になるのではないでしょうか。

賃上げ

構造的な賃上げ
賃上げと、労働移動の円滑化、人への投資という三つの課題の一体的改革を進めます。

https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/1003shoshinhyomei.html

賃上げをここに掲げていますが、セットで「労働移動の円滑化」も盛り込まれています。成長分野への労働移動と明言しており、「年功制の職能給から、日本に合った職務給への移行」とも表現されています。国の構造的改革を目指しているのがわかります。特に、成長分野への労働移動のための学びなおし(リスキリング)には力を入れると明言。

リスキリングに1兆円

リスキリング、すなわち、成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備や、年功制の職能給から、日本に合った職務給への移行など、企業間、産業間での労働移動円滑化に向けた指針を、来年六月までに取りまとめます。
特に、個人のリスキリングに対する公的支援については、人への投資策を、「五年間で一兆円」のパッケージに拡充します。

https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/1003shoshinhyomei.html

学びなおし(リスキリング)については、話題になるように1兆円投資を打ち出しました。ただ、5年間で1兆円という規模です。具体的には何も決まっていないのでしょう。6月まで待つ必要があります。ただ、実施されるようならば一気にデジタル人財が増加します。それでも不足するような予想もありますが、現状よりは良くなるでしょう。ちょうど1年後に結果が出るタイミングだと思います。

成長投資

成長のための投資と改革
科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX、DXの四分野に重点を置いて、官民の投資を加速させます。

https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/1003shoshinhyomei.html

スタートアップ企業への投資にも触れています。メインの取り組みではなさそうです。とりあえず取り上げてみた感じではないでしょうか。内容を見ると「二、第三のトヨタ、ホンダ、ソニー」と表現されているので製造業をイメージしますが、分野としては新技術分野に広く投資すると思われます。

まとめ

30分を越える所信表明でした。模範的な文章とは感じますが魅力は薄く感じるのはわたしだけでしょうか。根幹的な軸がないように感じます。経済政策の中には、成長投資と再構築の両方が盛り込まれており、構造転換を目指していることがわかります。解体から再構築へと向かう業界も出てくるということです。また労働移動を目指すのであれば一時的に失業率も高まるかもしれません。それをどこまで理解させられるのか。混乱を発生させずに進めるのか。今後の注目です。

第二百十回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説 

https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/1003shoshinhyomei.html

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ビジネスリーダーのための『Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆