絞りながら展開する

今後はコストダウンに注目が集まります。どの業界も調達、仕入れの値上げを経験するような事態になっているからです。値上げ分を他でコストダウンできないのか。そのチャレンジが各社で出てきています。事例を取り上げながら考えていきます。

アパレル

アパレルメーカーは繊維の共通化をしています。日本のトップメーカーの製品は同じ繊維で製品展開をしているのはご存知でしょうか。ジャンルが違う洋服であっても同じ繊維が使われています。触ると同じだとわかるときがあります。このように、同じ繊維(共通部材)で複数の製品を製造するとコストダウンが可能です。

プラットフォーム共通化

自動車も土台の部品であるプラットフォーム(シャシー)が共通化されつつあります。最初に手がけたのはマツダ。そのため、プラットフォーム共通化が完成したときは、最も円高に耐えられる自動車メーカーとも呼ばれていました。現在はトヨタ自動車でシャシー共通化が進んでおり利益率に寄与していると思われます。

トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー:Toyota New Global Architecture
→トヨタ自動車が開発した、新プラットフォームを基幹とし商品力の飛躍的向上と原価低減を同時に達成するための車両作りのシステムの総称  

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC

飲食チェーングループ

飲食チェーングループも食材の一括仕入れで食材の種類を絞りコストダウン。しかし、メニューの魅力は落とさないように、限られた食材で開発するようにしています。

外食、食材絞り調達難克服 グループ一体でメニュー考案:日本経済新聞 

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64883580U2A001C2TB2000/

共通点 

まとめてみると次のような特徴がわかります。

  • 部品(資材、材料)数低減
  • 共通部材拡大
  • 一括仕入れ
  • 少なくなった材料で開発力向上

ポイントは、開発力。限られた部品、材料、資材で魅力ある製品を生み出していくチカラです。

まとめ

コストダウンだけなら可能かもしれません。しかし、コストダウンはしたが売れなくなった、では困ります。コストダウンと魅力ある製品づくりを成し遂げた企業だけが生き残るように感じます。ということは、限られた条件で開発していく意欲の有無が成功のカギになるでしょう。そこは組織力の差になると考えます。

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ビジネスリーダーのための『Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆