組織の動揺

組織に動揺があるとき、「ビジョンと現実に乖離があるなあ」とリーダーの談。『そこを埋めるのが経営』と即答しました。組織の動揺とは、「方向性が見えない」「将来が見えない」といった言葉で表現されます。とはいっても、理念は掲げてあるし、ビジョンも示しています。何が足らないのでしょうか。

ビジョンへの地図

そもそもビジョンとは何か。

ビジョンの共有とは、企業が達成したい目標や方向性を示すものです。ビジョンを持つことは、企業が長期的な目標を達成するために必要なものであり、ビジョンを共有することは、企業の成功につながる重要な要素の一つです。

notionAIより

ビジョンは方向を示すただの案内標識。ゴールは書かれてありますが、ゴールまでのルートは書いてありません。地図と道順が不足しています。なので、ルートマップを作成することがリーダーの仕事です。単にビジョンだけを何回叫んでも到達しないことがあるのは道順が指し示されていないからなのです。では、どのようにルートを決めていけばいいのか。

ルート作成

ビジョンのためのルート作成は次の内容を理解した上でつくっていきます。次の3つの前提条件があります。

  • 個人の浸透度
  • チームの共有度
  • 組織の一体感

上記3点の把握なしにルートは作成できません。精度の低いルート設定になるからです。精度が低ければ、道に迷い、同じところを何度も通り、ゴールに到達しないことも発生するでしょう。そのため、前提条件として上記3点の把握は欠くことができません。

共有

前提条件をもとにルートを設定するのですが、ビジョンは「共有する」というキーワードで語られています。共有とは一方通行ではなく双方向。伝えたら、フィードバックがあるのが共有なのです。ビジョンでは、一方的に「うちのビジョンはこれです」と一方通行で伝えている場合もありますが限界があります。

ビジョンをたとえる

ビジョンには具体性はありません。抽象的な言葉で表現されているのが普通です。そのビジョンをひとりの行動として考えたら、どの場面が当てはまるのかを考えること。「この場合にはビジョンを体現するには・・・という行動だ」と具体的な内容で考えていくのです。人は事例を考えると理解が深まります。なぜなら、自分の経験の中に似たような体験があるからです。もしくは、人の体験を聞くことで自分も追体験したかのような感覚になることもあり、具体的事例に置き換えることは有効なのです。

まとめ

人は理解によって行動します。行動しないのは理解不足が原因です。この理解量によって行動することを「understanding(アンダースタンディング)」と呼んでいます。ビジョンの場合、到達までのプロセスは、理解の順番を考えることが正解なのです。理解の順番を構築することでビジョンまで到達するわけです。理解には事例や置き換えをしながら、双方向でコミュニケーションする。それがビジョン共有しビジョンまで行くことができるのです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆