新リーダーに求められるもの
春になると新人も入社したり、異動で新しいスタッフが入ってきたりします。リーダーに新しく就任する人もいるでしょう。新しくリーダーになった人に求められるものは何でしょうか。これをやった方がいい、こうした方がいい、こうしなければならない、とさまざま言われていると思いますが、すこしまとめてみます。
具体的なスキルより最初に
新リーダーに求められるスキルは具体的にあると思いますが、視野が狭ければあまり意味がないので、どの視野で求められるものを考えた方がいいのか見ていきます。たとえば、次のような視点で新リーダーは考えてほしいと思っています。
- チーム内で求められるもの
- 部署間で求められるもの
- 会社全体で求められるもの
- 社外関係者との間で求められるもの
- お客様から求められるもの
上記のように、だれから求められるかによって内容がちがいます。チーム内で求められるものは「コミュニケーション」が主になりますが、部署間で求められるのは「調整能力」だからです。ほかにも、会社全体として求められるのは「方向性をひとつにした組織運営」になるのです。社外関係者から求められるものは、「説明力」であり「共感力」が必要とされるでしょう。
失敗事例
新リーダーが失敗する例はパターンがあると認識しています。たとえば、「正しいと思ったことを伝えた」ために失敗してしまう経験はリーダーだれしもが持っているのではないでしょうか。正論を伝えれば理解してくれる、わかってくれると思い、いきなり伝えてしまうケースです。前提がないので、聞かされた方も「根拠不明」なので受け入れることができないのです。そのため、新リーダーは拒絶されたと感じるでしょう。しかし、そこは拒絶ではなく理解不足による不一致なのです。
落ち着いてプロセスを描く
新リーダーが求められるものを理解して、相手の理解に落とし込めるようなプロセスを描ければ、大きくズレることはありません。伝えたいことばかり先行してしまうと、ズレていくだけです。ズレるとリーダーは空回りしているように見えてしまいます。そのためには落ち着いてプロセスを描いていくことです。
まとめ
なぜ正しいことを伝えているのに受け入れてもらえないのか。そう感じているリーダーの方もいるのではないでしょうか。正しいことを伝えて理解してもらえるならば、そんな簡単なことはありません。人は機械ではないので、状況や環境、立場によって理解方法も理解度もちがうのです。「あなたは間違っている」と正論を言ってもすんなり受け入れられることが少ないのはそのためです。その壁を越えると新リーダーの実力となっていきます。丁寧に進めながら越えていくことだと思います。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆