先行き不透明のときほど
混沌とする時期ほどリーダーには明確な方向性が求められます。メンバーだけでは先行きが想像できない。描くことができない時期に、求められる傾向にあります。このように先が見えない時期ほどリーダーは「あいまい排除」で断言しなければなりません。しかも、方向性も示さないと、メンバーの不安が増長してしまうのです。この現象、景気後退期にも見られますが、景気回復期にも出現します。止まった段階から再スタートしたときは、陥りやすい状況なので組織の状態把握をしておきましょう。
変化があった
リベンジ消費が本格的にスタートし、活動制限もなくなると、精神的な解放も求めるようになりました。この部分に気がついたリーダーと打ち合わせしましたが、「急にメンバーの意識が変わった」と言っています。変わったように見えているだけかもしれませんが、発言内容が変わったということは変化があったのです。
示してください
「リーダーのビジョンを示してください」「方向性か見えません」「この会社をどうしたいのですか」「どこに向かっているのか理解できないです」とミーティング時に発言する人が出てきました。最近は何度も目にします。とかく、経営方針や経営計画をはっきり示していないチームほど、そんな発言が出てきます。
裏にある心理
こうした発言の裏にあるのは次のような心理。
- はっきりしてほしい
- 率先してほしい
- ブレないでほしい
ただリーダーとしては、「方向性を示している」「今後のことは伝えている」と返答していることもあり、すれ違いが生じていることもあります。なぜでしょうか。
リーダーが発言をしていながら、理解されていない場合は、原因はリーダーの複数の発言に「一貫性がない」のが原因なのです。一貫性は発言の根幹です。ブレない内容、同じ判断軸、いつも同じ価値観で発言にすることにより、ある種の信頼関係が形成されるのです。
まとめ
リベンジ消費という言葉がありますが、会社内では別のリベンジが発生しています。今まで言えなかったことを言い出したり、質問したりするリベンジです。会社にとっては苦言かもしれませんが成長のためには、すべてプラスのできごとです。
クリティカルという言葉があります。「批判的」と訳されます。そのような発言をする人は、無関心ではなく、興味があり、また愛着もあるので発言されています。批判的内容であっても、そこは受け止める内容になるでしょう。そのうえで、これから先も見えるようにしていくのがリーダーの仕事です。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆