幸福度と時間の関係

年齢と幸福度の関係は一体どのように推移するのか、考えてみたいと思います。生まれてから歳を取るたびに、幸福度は増加するのでしょうか、それとも減少するのでしょうか。子どものころを思い出してみると、将来に対する不安は少なく、時間がまるで無制限に存在するかのように感じていたことでしょう。まるで自由な鳥のように、思うがままにやりたいことを楽しんでいたのではないでしょうか。ある意味、幸せだったのです。

しかし、人間が成長し、歳を重ねるにつれて、制約やプレッシャーは増大します。仕事のストレス、家庭の責任、健康問題、経済的な困難といった問題が頭をもたげます。これらの事情により、幸福度は徐々に下がっていくと言われています。この傾向は、中年期まで、具体的には50代前半まで続くのです。では、50代以降はどうなるのか。

50代前半を境に、人々の幸福度は二極化する傾向が見られるのです。50代以降に
①上昇する人
②下がったままの人(もしくは徐々に下がっていく人)
となるのです。
周囲を見渡してみて、どちらのパターンが多いと感じますか。

日本の傾向とそれ以外

日本においては、残念ながら50代以降、幸福度が低いままの人が多いと言われています。一方で、他の国々では、特に欧米諸国では、50代を境に幸福度が上昇していく人が多いと報告されています。これは根拠のはっきりしない、ただの一般論であることを念頭に置きつつ、この問題についてさらに詳しく情報を集め、定期的に確認を行っていきたいと感じます。

過去の経験を振り返ってみると、50代に達した人々から、人生についての悩みや疑問を打ち明けられたことが何度かあります。人生について深く思い巡らせ、「このままで本当にいいのだろうか」という不確実性や不安について語っていたのを覚えています。中には不安から眠れなくなる人もいました。漠然とした不安が強くなるようです。

違いの要因

では、幸福度が50代から上昇する人と低いままの人の違いは一体何なのでしょうか。幸福度が上昇する人、低いままの人には、それぞれ特徴があります。

幸福度が上昇していく人は、50代前半を堺に「すべてを受け入れる」価値観に転換しているケースがあります。そのため、小さなことでも幸せを感じるようになっているのでしょう。「流れ」の上に自分がいて、「流れ」に逆らわないように考えていることもあり、理想と現実というギャップの差が出なくなっているのです。ギャップがないことで幸福度が上昇する構造です。

一方では

一方、幸福度が上がらない人は、次のような特徴があるのではないでしょうか。理想が高く、理想を下げることもしない。また理想に固執すればするほど、理想に達しない場合は、幸福度は上がりにくい。下がったままで推移してしまうのです。理想の数が多ければ多いほど、また幸福度は上がりにくいでしょう。

まとめ

幸福度は他人が決めることではありません。あくまでも自分が決めること。上記は一般論を書いただけで、正解ではありません。しかし、傾向は知っておくと損はなく、対処できることもあります。50代前半は境界線にあることだけでも知っておけば、精神的に安定することもあるでしょう。適度な精神的なコントロールが可能になると思います。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆