単独インタビューか
日銀総裁への読売新聞単独インタビューが公開されました。単独インタビューという形態が少し異質であり、なぜなのか、と疑問が出てきます。定期の会見が行われるのが先なので、臨時で公開したかったと感じます。このタイミングで情報公開したかった理由があるのです。また、読売新聞にとってみれば他者を差し置いてインタビューに成功しているので大きな成果でしょう。
マイナス金利解除「物価上昇に確信持てれば選択肢」…植田日銀総裁インタビュー
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230908-OYT1T50416/
そのインタビュー内容で注目されているのがこちら。
賃金上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てた段階になれば、大規模な金融緩和策の柱である「マイナス金利政策」の解除を含め「いろいろなオプション(選択肢)がある」
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230908-OYT1T50416/
マイナス金利解除か、と期待させる内容です。こうした発言にはもちろん意図があります。今回のインタビュー意図はどこにあるのでしょうか。おそらく、為替への牽制だと感じます。ドルに対して円安が続いています。円安を冷ますためにこのインタビューに応じたのではないでしょうか。実際、このインタビュー後には円安傾向はやわらいでいます。しかし、その効果は継続しないでしょう。日銀としてはとりあえずできることはしました、という形だと解釈しています。
あとは
あとは財務省が為替介入をいつ行うのか、という段階になります。2022年時と同様に1ドル150円前後で介入するのではないかと予想されています。かなり慎重にタイミングを見計らっています。というのも、円安を止める為替介入は手持ちのドルの売却しかないので、限界があるからです。何度も繰り出せる手段ではありません。そのためギリギリのところまで介入を決断しないのではないでしょうか。
まとめ
9月は毎日のように経済ジャンルの話題が出てきます。大きく動く時期でもあります。日本だけでなく海外も目が離せません。日本についても為替だけでなく、金利も上昇しているのでチェックが欠かせません。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆