無保証融資の急増2024年上期

かなり急増しています。企業への銀行融資における無保証割合です。かなりのスピードで浸透しているのがわかります。具体的には、
「2023年上半期結果
地方銀行新規融資:無保証融資割合50%超
メガバンク:無保証融資割合75%超」
となっています。このデータは、金融庁によって公開されています。地方銀行に関しては、30%台の金融機関もあり、まだ温度差はあるようです。金融機関ごとの%が気になる方はこちらからご覧ください。

金融庁:主要行等及び地域銀行の「経営者保証に関するガイドライン」の活用実績について(個別行の実績)

https://www.fsa.go.jp/policy/hoshou_jirei/jisseki_kobetsu.html

無保証融資の増加傾向

この顕著な増加は、個人的には予想していませんでした。もう少し慎重に進めるのではないかと思っていましたが、金融庁の意向はやはり強いのでしょう。金融機関が融資の際に個人保証を要求しないのであれば、業績評価、将来評価の割合が増えています。数年後には、振り返ると2024年のこの流れが金融業界における重要な変化として注目されるのではないでしょうか。

将来への影響

無保証融資の増加は、短期的には融資の利便性を高めるものの、数年後にはその結果が明らかになります。良好な結果が得られれば、無保証融資のトレンドはさらに強化される可能性があります。しかし、結果が芳しくない場合、金融機関は再び個人保証を必要とする融資に戻る可能性も否定できません。金融機関もビジネスをしているので、結果の出ない場合は方向転換することも視野に入れておきたい部分です。

希望と懸念

無保証融資の増加により、より多くの事業者が資金を調達しやすくなることを期待する一方で、この変化がもたらす長期的な影響については慎重に見守ることになります。歴史上、長年の慣習で経営者保証を求めてきました。これが一気に変わると歪みも出る可能性があります。

まとめ

無保証で融資が受けられる時代になったのを感じます。経営のハードルが一気に下がりそうです。事業承継の問題解決のためですが、副産物として起業する人や企業を譲り受けて経営をスタートする人も増えるでしょう。そこはそれで楽しみな領域です。

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