ツール選択

エクセルで顧客管理をしている企業が、システムを導入してスタートする光景を見ると、見えていない状況がわかってきます。エクセルでもシステムと同じようなことは構築できますが、ハードルが高い部分があり、操作もわかりにくいのが難点です。そのためシステム導入がベスト。ただ、どのシステムを導入するかで迷う部分でもあります。

またシステム導入時に顧客管理の仕組みを進化させるべき。最近の流れでは、MA(マーケティングオートメーション)とインサイドセールスになります。

顧客管理の統合

営業の世界は、営業担当が「商談創造」を行うとされてきました。しかし、最近の変化はこの伝統的な枠組みを根本から変えています。訪問主体の営業活動に限界を誰もが感じており、商談の新たな創出手段が必要とされているのです。このニーズに応えるのが、マーケティング・オートメーション(MA)とインサイドセールスという二つの流れです。インサイドセールスの方は歴史が古く、以前からありましたが、ようやくツールやシステムが安価になり普及期を迎えています。どの規模の企業でも導入できる体制が整った形です。

新時代の営業戦略

マーケティング・オートメーションは、リード生成や顧客管理などのマーケティング活動を自動化し、より効率的な営業サポートを実現するシステムです。集客や顧客フォローの分業化に始まり、自動化へと移行した仕組みです。

このシステムにより、企業は商談創出、リードの創出、案件発掘、集客などを効率的に行うことができます。結果として、営業担当者は商談と契約に集中できる時間が増え、生産性が向上していきます。今まで手をつけていない企業にとっては、生産性が2倍になることもあるでしょう。

リモートでの商談創出

インサイドセールスは、主に電話やオンラインツールを使用して、オフィス内から顧客とのフォローを進める手法です。訪問にかかる時間やコストを削減しながら、より多くの見込み客と接触できるため、効率的なリードの創出が可能になります。また、顧客を成長させる、教育する役割もあり、ソフトタッチのアプローチになります。この辺りは、奥が深く、顧客心理を理解していない人には設計ができないと感じています。どうしても売り込みに近いことをしてしまうので注意が必要です。

ツールの選定

営業とマーケティングの自動化を実現するためには、適切なツールの選定が不可欠です。チーム規模や業務に応じて、
①notion
②kintone
③セールスフォース
が適切な選択肢となります。自動車にたとえるならば、高性能な軽自動車、運転しやすい普通車、高性能な高級車となるでしょうか。

小規模なチームではシンプルな機能のnotionが、中規模以上ではカスタマイズ性の高いkintoneやセールスフォースが適していると感じています。今後はAI搭載が当たり前になるでしょう。そのときはツールやシステムが入れ替わる可能性があります。

顧客中心のアプローチ

マーケティング・オートメーションとインサイドセールスの組み合わせにより、営業活動は大きく変化し、より顧客中心のアプローチが可能になっていくはずです。単に顧客にメールを発信している、DMを発信しているだけでは到達しない領域です。

顧客データを活用し、パーソナライズされたコミュニケーションにより、顧客を育て、顧客を上のステージに登ってもらい、最終的には、顧客のニーズに合ったソリューションを提供できるようになります。

まとめ

営業の世界で生き残るためには、マーケティング・オートメーションとインサイドセールスを駆使することが不可欠になってきました。まだ先だろうと感じていましたが、安価にシステムを導入できるので先延ばしはできない状況だと感じています。

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