過去最大の出資

新規市場のシェア争いは見ていて参考になります。突如出現したAI市場は現在トップ争いが激しくなってきました。ChatGPTを追いかけるGoogle Geminiという図式でしたが、ここにきてClaudeが支持されています。ChatGPTはマイクロソフト社が出資しており、マイクロソフトのグループとして認識されています。マイクロソフトとGoogleの競争として理解していましたが、そこにChatGPTから分かれたClaudeを運営するAnthropic（アンソロピック）社が独立系として出てきた形です。しかし、Anthropic（アンソロピック）社にAmazonが出資するという報道が流れてきました。そうなると、マイクロソフト、Google、Amazonの競争となります。Appleが入っていませんが、現在Googleと提携するのではないかと噂が流れています。そうなっても3社でシェア争いが繰り広げられることになります。今回はAnthropic（アンソロピック）社に出資したAmazonについて取り上げます。

Amazon4,000億円の大型出資

Amazonが生成AIのスタートアップであるAnthropicに対し、27億5,000万ドル（約4,000億円）もの大型出資を行ったことが話題となっています。この出資額は、Amazonにとって単一のAIスタートアップへの投資としては史上最大規模だと報じられており、業界に大きな衝撃が走っています。業界に詳しい人なら、驚きがあるはずです。こうした出資の話は突如出てくる傾向にあるので、次が予想できません。

Anthropic（アンソロピック）社

出資の対象となったAnthropicは、対話型AIアシスタントの「Claude」で知られる企業です。Claudeは自然な会話能力と高度な言語理解力を持ち、ChatGPTに匹敵するポテンシャルを秘めていると評価されています。実際、AnthropicはChatGPTを開発したOpenAIに次ぐ有力なAIスタートアップとして注目を集めてきました。使ってみるとわかりますが、日本語もキレイな文体で出てきます。ChatGPTより優れていると感じるでしょう。今のところ、読み込ませる文章の量も他と比較して大きく、利用範囲は広いです。

Amazonの狙い

では、なぜAmazonはAnthropicに4,000億円もの大金を投じたのでしょうか。その背景には、Amazon自身がAI分野で遅れていた分を一気に挽回させたい意向があると考えられます。

Amazonはこれまで、Alexaなどの音声AIアシスタントで一定の実績を上げてきました。しかし、ChatGPTに代表される大規模言語モデルの分野では、OpenAIなどに大きく水をあけられているのが現状です。特にMicrosoftがOpenAIと提携し、AI分野での主導権を握ろうとしている中で、Amazonも対抗策を打ち出す必要に迫られていたのでしょう。何もしてこないのが不思議でした。1年間の沈黙から一気にトップを狙う戦略、決定だと感じています。

AI競争の行方

AmazonとAnthropicの提携により、AIの分野における競争は一層激化することが予想されます。MicrosoftとOpenAIという強力タッグに加え、AmazonとAnthropicという新たな布陣が誕生したことで、業界の地図が大きく塗り替わる可能性があります。

各社は、より自然な会話能力、高度な言語理解力、専門的な知識などを備えたAIアシスタントの開発にしのぎを削ることになるでしょう。さらに、AIアシスタントを実際のビジネスにどう活用していくかも重要なポイントになります。単なる相談相手ではなく、業務の効率化や意思決定のサポートなど、実用的な価値を提供できるアシスタントが求められるはずです。ここが今後の進化となり普及の決め手となるでしょう。

AIがもたらす社会変革

Amazonの大型出資は、AIアシスタントの分野が新たなステージに入ったことを象徴するできごとだと感じています。巨大テック企業による投資合戦は当分続くと予想され、AIスタートアップの期待値はさらに上昇していくことでしょう。

まとめ

このような内容の記事を書いても、翌日には次の事象が発表されるのが現在のAI事情です。他社が先行した途端、次のバージョンを発表し話題を独占することが競争になっています。ChatGPTも次の発表がすぐに出てくると予想しています。今後も目が離せません。

Amazon、生成 AI の Anthropic にさらに27億5,000万ドル（約4,150億円）出資
（同社史上「最大規模」）

https://thebridge.jp/2024/03/amazon-invests-another-2-75b-in-anthropic-reportedly-largest-in-company-history

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