価格調整とは
経営の決断はある意味「価格決定」に尽きるかもしれません。値上げタイミングが続いている現在では、さらに価格の設定が優先だと感じます。ダイナミックプライシングを大胆に導入しているホテルチェーンの営業利益率が29%になっているのを見ると実感します。
今回は価格調整について取り上げます。価格調整とは「需要と供給を価格によって調整すること」と解釈できます。ようするに、価格調整は需要と供給のバランスを取るための非常にシンプルかつ効果的な方法なのです。
たとえば
価格調整が消費者の行動に与える影響について考えてみます。たとえば、ある家電の価格が下がったとします。すると、その家電を購入する人が増える可能性が高くなります。価格が下がったことで、その家電を買うことが「得」だと感じる人が増えるからです。高価な家電がだんだんと安価になるにつれて普及する現象はわかりやすいと思います。液晶テレビの普及は価格によって普及が加速した事例です。逆に、価格が上がれば、その家電を買うことを躊躇する人が増加。現在、インフレ、円安の影響で価格が上がっているので、買い控えが発生しています。このように、価格は消費者の行動に直接的な影響を与えます。
- 需給均衡: 需要と供給が一致している状態では、価格は安定
- 需給不均衡: 需要と供給が一致していない状態では、価格は変動。需要が供給を上回るときは価格上昇、供給が需要を上回るときは価格ダウン
行動予測
価格調整により消費者の行動を予測することも可能です。企業は、価格の変化に対する消費者の反応を予測することで、行動を導くこともできるので、急な集客に迫られたときには価格調整をかけていきます。在庫量を減らしたいときも価格調整をして一気に在庫処分をすることも見かけます。暖冬になればアパレル業界の在庫が増えるので、価格調整している場面が増える傾向にあるのもそのひとつです。
政策も
大きな視点で見れば、国の政策においても、価格調整は有効です。補助金や税制優遇措置などを通じて、政策を実行することもあります。賃上げする企業に優遇策を出した事例は成功事例のひとつと考えています。他にも自然エネルギーの助成なども事例として思い出される内容です。
まとめ
価格調整は、経営の戦略において欠かせない。価格調整を通じて、需要と供給のバランスを取り、消費者の行動を予測し、効率性を高めることができます。価格と消費者の行動をパターン化し、行動予測できるようにしておくと戦略決定も楽になると思います。
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