未完了だから
未完了の作業や目標が頭から離れないことはありませんか。たとえば、読みかけの本の内容が気になったり、達成できなかった目標が忘れられなかったりすることがあるでしょう。行きたかったお店に行ったら満員で入れなかった。購入したかった商品が売り切れになっていた、ということもあるのではないでしょうか。このような、未完了で終わったできごとが頭に残ることを、ザイガニーク効果と呼んでいます。
想起されやすい
ザイガニーク効果とは、「目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」ことを指します。つまり、未完了の課題や目標は完了したものよりも記憶に残りやすいのです。言い換えれば、未完了なことほど執着しやすいといえるでしょう。達成すると達成感はありますが、記憶からは外れていきます。しかし、未完了は残り続けるのです。
上手に利用する
ザイガニーク効果が生じる理由は、未完了の課題が心理的な緊張を生み出すからだと考えられています。人間の心は、未完了の状態を解消しようとする傾向があり、そのため未完了の課題に注意が向けられ続けるのです。仕事で重要なプロジェクトが完了していない状態だと、休日でもそのことが頭から離れないことがあるのも事例のひとつでしょう。
この効果を上手に活用することで、仕事のパフォーマンスを向上させることができます。目標設定に関しても、もう少しで完遂しない領域の設定を意図的にすることも効果があるのです。モチベーションを維持しやすくなるからです。
記憶力も
記憶力の向上にもザイガニーク効果が役立つと考えられます。暗記したい内容を途中までで止めておき、意図的未完了の状態にしておくことで、その情報が記憶に残りやすくなるのです。覚えたい専門用語の一部を未完了にしておくことで、思い出そうとする心理的な緊張が生まれ、記憶の定着が促進される可能性も大きくなるのです。
①ザイガニーク効果の定義
- 未完了課題の記憶は完了課題よりも想起されやすい
②ザイガニーク効果の発見
- 中断されたタスクは完了したタスクよりも記憶に残っていることが明らかに
③ザイガニーク効果が生じる理由
- 未完了の課題が心理的な緊張を生み出すため
- 人間の心は未完了の状態を解消しようとする傾向がある
- 心理的な緊張が解消されるまで、未完了の課題は記憶に残り続ける
まとめ
未完了にするためには、時間通りに動くことで自然発生的に未完了にすることができます。12時になったら、すぐに全てをストップさせてしまう手法です。時間通りに動くときほど未完了が増えていくので、ザイガニーク効果が発揮できるのです。このようなノウハウは実際に自分に合った形を探すことになるので、実験することをお勧めします。
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