物価の特性

物価が上昇する。そのとき、同じ率で製品の価格は上昇しない。上昇幅が大きいものもあれば、上昇しないものもあります。価格転嫁しやすい製品・サービスもあれば、価格転嫁しにくい製品・サービスにも分けられます。今回は、物価上昇しにくい「岩盤品目」と呼ばれる製品・サービスついて取り上げます。価格の硬直性についてです。

代表的な製品群

岩盤品目はいくつかありますが、代表的なものは下記になります。

民間家賃葬儀料
持ち家の帰属家賃マッサージ料金
植木職手間代人間ドック受診料
大工手間代PTA会費
家事代行料私立中学校授業料
モップレンタル料私立大学授業料
車庫借料自動車教習料
駐車料金映画観覧料
ロードサービス料ゴルフ練習料金
理髪料写真撮影代
エステティック料金獣医代

見るとわかりますが、サービス料が多く含まれています。たとえば、植木職の手間代、大工の手間代、家事代行サービス、理容・美容サービス、娯楽関連サービスなどです。これらの品目は、外部要因によるインフレの影響を受けにくい特性があります。その理由は、人件費が主なコストであり、原材料価格の変動に左右されにくいためです。ただ、現在の日本ではインフレ基調を目指しており、年2%の上昇をターゲティングしています。実現するには、このような岩盤品目の価格が上昇させられるのかがポイントになるのです。

上昇はしている

最近は、人手不足などを背景に、「岩盤品目」の価格も徐々に上昇し始めています。人件費の高騰が著しいサービス業では、価格への転嫁が進んでいるのは事実。あとは全体の中で価格上昇が多数派になるかによって流れが決定します。

物価の特性は購買を決定する人間の感覚で決まり、感情によって左右されるでしょう。高額製品、低額製品のどちらでも岩盤品目となることがあるので、価格帯で決定する内容ではありません。どちらかといえば、定期的に購入する品目が多い傾向にある程度です。s

まとめ

物価の動向は、生活に直結する重要な経済指標のひとつ。かなり注意して見ています。この表を見ていると、どうして岩盤品目なのかも、感情面から説明できるかもしれません。ただ、これらの品目の価格動向が今後の経済を左右する可能性もあります。その点も注目です。

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