深いユーザー理解から

ショートムービーの視聴者を対象に行ったクラスター分析の結果から今回は考えてみたいと思います。この分析結果を活用することで、より効果的なコンテンツ制作が可能になるはず。制作に迷いが減るでしょう。対象となる人を理解できれば、コンテンツ制作は非常に楽な世界になっていきます。まずはユーザーを知ることです。ユーザー自身よりユーザーのことを詳しくなることが優先なのです。それでは、7つの視聴者クラスターとそれぞれに向けたコンテンツ戦略を見ていきましょう。

1. エンタメ多様派

エンターテイメント多様派が興味を持っているジャンルは
・スポーツ
・映画
・マンガ
です。この層は幅広いエンターテイメントに興味を持つ活動的な視聴者。多数を占めます。コンテンツ戦略としては下記の内容が中心になります。

  • スポーツの舞台裏
  • 映画制作の裏側を紹介する短編ドキュメンタリー
  • 人気マンガの実写化プロセスを追うシリーズ

といったところが興味の対象になります。制作裏側のドキュメンタリー系は見始めると止まりません。ショートムービーではリアルな裏側が人気なのです。

2. テクノロジー系

テクノロジー系の興味は、
・車
・家電
・スポーツ
になります。最新技術とアクティブなライフスタイルを好む視聴者層です。新しモノ好きの層ですね。イノベーター、アーリーアダプターと呼ばれています。コンテンツ戦略としては、

  • 最新テクノロジーを使用したスポーツトレーニングの紹介
  • 未来の車のコンセプト紹介
  • スマートホーム技術とスポーツの融合を探る実験的な短編

などになるでしょう。特に未来の情報を欲しがっている人が多いと感じています。

3. アップスケール志向

アップルケール志向の人たちの興味は、
・資産運用
・転職サービス
・エステ
・美容関連
になります。自己投資や自己改善に関心の高い視聴者層です。自分磨きの情報を求めています。求めているコンテンツ戦略としては

  • 成功した起業家のライフハックを紹介する短編シリーズ
  • 効果的な転職戦略をドラマ仕立てで伝える
  • 最新の美容技術をビフォーアフターで見せる

になるでしょう。求めているものがわかりやすいのが特徴でコンテンツ制作としてはやりやすいのではないでしょうか。

4. ホームライフ重視

ホームライフ重視の層が興味あるのは、
・生活用品
・雑貨
・マンガ
・ストリーミングサービス
あたりです。家での時間を大切にし、快適な空間づくりに興味がある視聴者層。ここ数年で増加した部分です。この層が求めるコンテンツとしては、

  • DIYインテリアのテクニックを短時間で伝授
  • マンガ作家の作業環境や創作プロセスを潜入する

といったところになります。この層も求めている内容の焦点が絞りやすいのでわかりやすい層になります。

5. 若年層エンタメ

若年層のエンタメ派が興味あるのは、
・求人
・人材派遣
・映画
・ゲーム
になります。一般的な層であり多数を占めています。キャリアを模索しつつ、エンタメを重視する若い視聴者層です。コンテンツとしては

  • ユニークな職業の一日密着ドキュメンタリー(社長密着)
  • ゲーム業界のインターンシップ体験記

が興味の対象になるでしょう。時間があるので、求める幅が広いのが特徴です。

6. 大人のライフスタイル

大人のライフスタイル層の興味、関心があるところは
・資産運用
・旅行
・料理
になります。経済的に安定し、質の高い生活経験を求める成熟した視聴者層です。または、富裕層の生活が気になる層でもあります。コンテンツとしては、

  • 資産運用のコツを図解で説明
  • 隠れた旅行先の魅力を紹介する旅行記
  • 一流シェフの家庭料理テクニックを学ぶミニ番組

になります。隠れた名店も気になるのではないでしょうか。富裕層の関心は最終的に「旅行」と「食事」に行き着きます。そのゴールは覚えておいて損はありません。

7. トレンド感度高め

トレンド感が高い人たちの興味は
・スキンケア(美容)
・ファッション
・音楽
です。外見や文化的活動に敏感で、最新トレンドを追う視聴者層。コンテンツとしては

  • 芸能人やセレブの愛用スキンケア製品を試す beauty vlog
  • ファッションウィークの舞台裏を描くドキュメンタリー
  • 新人ミュージシャンの素顔に迫るインタビュー series

などになるでしょう。新しい情報をずっと追い求めているのが基本です。コンテンツとしてはシンプルな場所に落ち着くことになるでしょう。

制作のポイント

このようにクラスターで分けた層を見ていくと制作のポイントがわかると思います。層に合った内容を作り込んでいくだけです。あと注意点をあげるとすれば
・継続できる内容を企画する
・シリーズ化する
といったところです。コンテンツ制作において継続できない事例が多数あります。これは
・継続できる内容にしていないこと
・事前に企画を複数準備していないこと
が原因です。事前準備をおすすめします。

まとめ

コンテンツ制作はショートムービーに限らず、どのツールを使っても基本は同じです。文章になるのか、音声になるのが、映像になるのか、写真になるのかは違いますが、企画部分はまったく同じ。基本を知っておくと楽になります。

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