面接時の返答

中途採用の面接に立ち会っていると、ときどき気になる回答をする人がいます。とても気になるのです。まちがってはないのですが、正解でもありません。たとえば、このような返答をされます。

  • 「市場が変化したので、成果が出せませんでした」
  • 「製品が売れなくなったので、目標達成できませんでした」
  • 「競合が増えたので、シェアが落ちました」
  • 「環境が整えば、もっと実力を発揮できます」

といった返答内容です。スラスラと返答される人は特に注意が必要です。もっともらしく聞こえるからです。

共通点

このような回答には共通点があります。それは、成果が出せなかった原因を外部要因に求めていること。つまり「他責思考」です。他責思考に陥る要因としては、失敗を認めたくない自尊心、責任回避の習慣化、批判を恐れる心理、問題解決能力の不足、自信の欠如などが考えられます。

他責思考の問題点は、自分の力で状況を変えようとする姿勢が見られないことです。市場が変化したなら新たな戦略を立てる、製品が売れなくなったなら改良や新商品開発を行う、競合が増えたならさらに差別化を図るのが普通。そういった積極的な問題解決の姿勢が見えてこないことがとても気になるのです。たまたま、そのような状態にならなかったのか、意図的に避けてきたのか。この辺りを確認したいと感じる部分です。

環境や条件

「環境が整えば実力を発揮できる」という返答も要注意。これは裏を返せば「条件が整わないと実力を発揮できない」ということ。変化の激しいビジネス環境において、常に理想的な条件下で仕事ができるわけではありません。むしろ、厳しい状況下でも成果を出せる人こそが求められているのです。それが真の実力です。

判断される

他責思考で返答する人は、結果的に「実力不足」と判断されかねません。なぜなら、どんな状況でも前向きに取り組み、成果を出そうとする力が見えないからです。真の実力は、どのような環境においても、ある一定以上の結果を残せることです。他責思考の人で、そのような人を見かけたことはまだありません。

まとめ

自分の行動と結果に責任を持つ「自責思考」。それこそが、企業が求める真の「即戦力」だと感じます。ゼロベースでも、不完全な環境でも、ある程度の結果を残すことができる人が今後の世の中を切り開いていくでしょう。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆