期間満了で更新せず
日本製鉄が中国企業との長年の合弁を解消。契約期間満了とともに全ての株式を売却し解消します。50年間ほどの期間、中国でビジネスをしてきましたが、将来性を考え、他国への投資と比較しても、メリットが少ないと判断したのでしょう。
日本製鉄 中国 宝山鋼鉄との合弁を解消 事業から撤退と発表https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240723/k10014520461000.html
撤退の主な要因
中国でビジネスを展開するとき、他の国と同じようにリスクは生じます。また中国特有のリスクもあり、その点がビジネス継続性の難易度を上げている可能性もあります。また、日本企業の優位性も少なくなっていることもあげておきたいと思います。具体的には下記の内容です。
1. 地政学
トップの意向が強いエリアです。トップの意向が変わるとビジネスに制約ができてしまいます。これは海外企業だけでなく、中国企業も同じような境遇です。強くなり過ぎる企業ほど制約がかかるケースが事例として出ています。どの国に行っても制約はありますが、その制約が予想できる場合とできない場合では、リスク想定が変わります。急変する国では要注意となってしまうのです。
2. 経済・市場要因
人件費は上がりました。富裕層も増えています。大きくは次の要因です。
- 人件費の上昇
中国の経済発展に伴い、労働コストが上昇。これにより、ベトナムやインドなど他のアジア諸国への生産拠点移転が加速しています - 国内企業との競争激化
中国企業の技術力向上により、外資系企業の優位性が低下 - 規制環境の変化
外資系企業にとって厳しい規制が増加
業界別の動向
ただ、対応は業界ごとに違っており、すべての業界が撤退しているわけではありません。
- 製造業:労働集約型産業で撤退や移転が目立ちます。アパレル企業のユニクロなどは生産の一部を他国に移転しています
- 小売・飲食:逆に店舗を拡大させている企業もあり積極的姿勢
もともとユーロッパの企業は中国進出に積極的でした。自動車ではドイツのメーカーがそれに当たります。日本より結びつきが強いと感じています。日本の企業はヨーロッパ企業ほど重視していなかったと思います。撤退を視野に入れて進出している企業もあるのを聞いたことがあります。いつでも撤退できるようにしておくのも方法のひとつでしょう。
まとめ
中国では不動産バブルが弾けており、金融機関への影響も出始めています。しかし、大きな問題には今のところなっていません。しかし、その潜在リスクを考えると中国を避ける選択をする企業も出てくるのです。また、海外進出はある程度のリスクを想定しながら出ていくケースもあるので、撤退も想定内ということになります。中国は今後の動きがどうなるのか不明なところもあるので、今後も注目のひとつです。
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