バイアスのひとつ
ビジネスの意思決定に大きな影響を与える心理的傾向がいくつかあります。その中で今回取り上げるのは、「ネガティビティバイアス」です。バイアスはいくつも種類があります。フィルターがかかっている状態のことをバイアスと言いますが、今回のネガティビティバイアスとは何かを解説していきます。
ネガティビティバイアスとは
ネガティビティバイアスは、人間の心理に深く根付いた傾向で、以下のような特徴があります。
- 定義
ネガティブな情報や経験に、ポジティブなものよりも強く反応し、より重視する傾向 - 主な影響
- 悪い出来事をより強く記憶する
- 批判や失敗に過度に反応する
- ポジティブな面よりもネガティブな面に焦点を当てる
振り返ってみると人はネガティブ傾向が強いことがわかります。これは、生命保存のため、危険性を記憶するためにネガティブを強調するようになったのではないかと考えています。そのため、最初にネガティビティバイアアスがあるのは普通なのかもしれません。
ビジネスにおける応用
興味深いことに、この心理的傾向はビジネスの世界でも様々な形で応用できます。ただし、これらの戦略を使用する際は倫理的な配慮が必要不可欠。消費者の不安や懸念を過度に煽ることは避けるべきで悪用厳禁です。以下に、ネガティビティバイアスを利用したビジネスをいくつか紹介します。
1)リスク回避サービス
- 保険業
潜在的な損失や危険に焦点を当てる - セキュリティサービス
犯罪や脅威から身を守る重要性を強調
2)問題解決型商品
- 健康関連製品
健康リスクを軽減する商品をアピール - 家庭用品
日常生活の不便や問題を解決する製品を提供
配慮の重要性
これらの展開を実施する際は、倫理的な配慮と顧客の真のニーズへの対応のバランスを取ることです。ネガティビティバイアスを利用することで短期的な利益を得られるかもしれませんが、長期的には顧客との信頼関係を損なうこともあるので、その点だけは覚えておいてください。
- 必要以上に、過度に不安を煽らない
- ネガティブな感情の過剰利用しない
- 問題解決や価値提供に重点を置く
- 透明性と誠実さを保つ
まとめ
ネガティビティバイアスは人間の心理に深く根付いた傾向であり、理解している側面もあるでしょう。この傾向を理解しておくことは基本です。ただ、ただ、頻度は考えておくべき内容です。人は完全にコントロールすることはできませんし、コントロールされたいとも思っていません。
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