ようやく事例が

日本の給与支払い方法に、新たな選択肢が加わりました。スマートフォン決済サービス「PayPay」が、厚生労働省から給与をデジタルマネーで支払う事業の認可を受けたのです。ソフトバンクグループの社員に対して希望者はPayPayで給与受け取りがスタートするのです。PayPayが出てきてから時間が経っていますが、ようやく給与支払いまで利用できるようになったと個人的には感じています。

新サービス

今回のデジタルマネーでの給与支払いについては、下記のような概要が公開されています。

  • ソフトバンクグループ10社の希望する従業員を対象に開始
  • 給与の受け取りをPayPayで可能に
  • 上限額は20万円

上限が決まっているので、利用される方は限られると思います。しかし、PayPayで受け取りたい人にとってはありがたい仕組み。銀行口座から移動させる必要もなく、そのまま利用できる手軽さを感じる人もいるでしょう。

給与支払い法制度

日本の給与に関する法律は古いままなのをご存知でしょうか。基本的には「手渡し」が原則とされ、銀行口座への振り込みですら例外的に認められているにすぎません。スタッフが希望するときに限って銀行口座振り込みを許可しているにすぎないのです。そんな中で、デジタルマネーによる給与支払い(デジタル払い)が認められたことは、大きな前進と感じます。これだけ、便利になったデジタルマネー界隈で、給与支払いだけが最後に残っていたからです。

これからの展望

PayPayによるこの新サービスは、給与支払いにおけるデジタル化の先駆けとなるでしょう。今後は他の企業も同様のサービスを提供し始める可能性があります。また、採用の条件としてメリットを感じる人たちが増えたら、企業は必須項目になるのかもしれません。

まとめ

現在、PayPay以外にも給与をデジタル支払いする予定(対応予定)の企業は他にもあります。楽天Edy、リクルートMUFGビジネスなどが申請しているようです。今後も続々と審査が終わり、デジタル給与払いが認められていくでしょう。給与支払いに関しては、デジタルマネーが認可されるのは、時間がかかりましたが、やはり金融というジャンルは、デジタル化へ進化しており、便利さは段々と向上しているのを感じます。この快適さを手に入れた人は、後戻りはできません。便利さ、快適さを手離すことは大きな苦痛だからです。今後の進化も楽しみです。

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