社内からの警鐘
組織に危険な兆候が見え始めているとき、誰が警鐘を鳴らすのか。どのように警鐘を鳴らしていくのか。永遠の課題です。組織規模が大きくなるほど、警鐘を鳴らしても響きません。大企業が実質的な倒産をするのを見て、なぜ優秀な頭脳が集積した組織が倒産するのかと疑問に思うはずです。個人では優秀な人たちなのに、集団として集まったときにはその頭脳は活かされていないのです。
おそらくどこかのタイミングで警鐘を鳴らす人はいたのでしょう。しかし、
・トップまで届かなかった
・聞き流された
・封印された
・無視された
といったことが起こっていたのではないでしょうか。そのため、行き着くところまで行かないとわからなかったのです。途中で改善できるはずなのですが、組織がそうさせなかったと考えています。大きなマイナスが出るまで待つしかないケースもあるのでしょう。しかし、組織規模がある程度の大きさならば、警鐘を鳴らす人がいれば、それに応える人も出てくるはず。修正できると考えています。
あまい
仕事に対する姿勢が最近は「甘い」「ぬるい」「真剣さが足りない」と感じる、と言っている人を見かけました。通常ならば、この状況は看過できるものではありません。しかし、現状はそのままになっています。現状維持の状態です。警鐘を鳴らす人が少数派だからでしょうか。または、真の状況に気がついていないこともあるでしょう。
では、組織はなぜこのような状況に陥るのでしょうか。その点について考えてみたいと思います。
なぜこのような状況になったのか?
組織にはいくつものワナというか、落とし穴が存在しています。下記がその中の一部です。
- 成功の罠
過去の成功体験が現在の危機感を薄れさせている可能性があります。「今までうまくいってきたのだから」という思考が、改善への意欲を低下させているかもしれません。問題は起こっていないはず、という思い込みも発生しているでしょう - リーダーシップの問題
トップ層が適切な緊張感を持って仕事に取り組んでいないと、それが組織全体に波及するものです。トップ層は見られています。それは組織全体に時間をかけて伝わっていくものなのです
このように、組織の停滞が始まっています。客観的に見ている人が社内にいる場合は、社内から警鐘が鳴らされるでしょう。ただ、それを受け止める人がトップ層にいなければ挽回にはつながりません。
最後に
組織の「ぬるさ」や「真剣さの欠如」は、放置すれば致命的な問題になりかねません。ただ、致命的な問題になってから気がつくこともあるので、組織の問題は大きいです。小さな警鐘も受け止めることが最善策だと感じます。「ひょっとして」「そんなことはないはずだが、念のため」といった姿勢で状況を正確に見ていくことだと感じます。
——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆