持ち続ける大人たち
玩具業界に新たな風を吹き込んでいる「キダルト」という言葉をご存知でしょうか。新しい造語です。業界にとっても成長につながる事象なので、意味としては大きいかもしれません。なので、キダルトを取り上げてみます。
キダルトとは
キダルト(Kidult)は、「子ども(kid)」と「大人(adult)」を組み合わせた造語です。この言葉は、大人になっても子どものような興味や趣味を持ち続ける人々を指します。新しい消費者層を表す概念となっています。今までは「大人買い」と呼ばれていた現象がありますが、大人買いを大きく解釈した造語だと認識しています。
特徴的な消費行動
キダルトの注目すべき特徴の一つは、消費行動パターンです。端的に言えば、キダルトは「金額を見ないで買う人たち」と表現されることがあります。高額でも購入してしまうのです。この特徴について、詳しく見ていきます。
- 強い購買意欲
キダルトは趣味や興味に対して非常に熱心。表現をかえれば執着しているといえるでしょう。欲しいものがあれば、価格を気にせずに購入してしまうのです。購入動機の大きさを感じます - 感情的な購買
子どもの頃のノスタルジア的な感情により、理性的な判断よりも感覚的な判断で購入することが多いようです。衝動買いです - コレクター志向
特定のシリーズやブランドのアイテムを集めることに熱中し、コレクションを完成させるためなら高額でも購入し自分を満足させています - インパルス買い
新製品や限定品に対して即座に反応し、計画外の衝動買いをすることも少なくありません。無計画なところが特徴です
産業への影響
キダルトの存在は玩具産業を変えていくのかもしれません。玩具業界は市場規模が拡大傾向にあります。子どもは減少していますが、大人が購入してくれれば、市場は逆に大きくなる可能性があるのです。大人が買うことで新しい顧客層が増えているのです。
そのため、新しく大人向けの高品質・高価格帯の商品が増加しているのが最近の傾向です。企業側も、このようなキダルト層をターゲットにした戦略を立てるようになっています。あえて高額製品を出すようになったのです。
まとめ
キダルトの「金額を見ないで買う」という行為は、良い意味での執着であり、良い意味での復讐なのかもしれません。子どもの頃に欲しかったが買えなかったことに対して、大人買いをしているのだと解釈しています。これが業界を変えていくかもしれないので興味深いと感じます。今後のキダルトの成長を確認したいと思います。
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