けっこう二極化

1年以上前から予想していたことが現実のものとなってきました。こんな予想はあまり当たりたくもありません。ただ、世の中の流れが速すぎるので、必然なのかもしれません。それは、企業の業績が大きく二極化しているのです。好業績の企業はかなり好調を維持していますが、その一方で業績が大きく落ち込んでいる企業も増えています。その落ち込み方も急激。中間層が消えつつあるのが現状です。リーマンショック後も体験したのでわかりますが、企業の業態、ビジネスモデル、財務状況、組織規模などによって影響される大きさが違います。景気動向に左右されやすい業界もあれば、あまり左右されず安定している業界もあります。しかし、安定した業界のおいても二極化しているのが今回の特徴なのかもしれません。

組織内でも

ある程度の規模がある組織では、成長を続けている部署がある一方で、急激に業績を落としている部署も存在します。組織内でも二極化しています。このような状況には必ず理由があるものです。先日も、「あまりにも楽観的」なリーダーと打ち合わせをしていました。急落した業績に対して何も行動できていなかったのです。対処がなく、いつもと変わらない活動をして満足していたようです。良くないのは、過去の成功体験が大きすぎて、変えられないことだと感じました。変化させることのリスクを感じてしまい、どうしても同じ路線を描こうとしてしまうのです。この場合も、最悪な状況になるまで同じことを継続するでしょう。痛みを感じるところまで行き着いてしまうと思います。

要因

さて、二極化が起こる要因を考えてみます。大きくは、下記の3点が考えられます。

  1. 転換期なのに同じことをし続けている

転換期が来ていることを認識していない。感じていない。そこがまず問題。次は、環境が大きく変化しているにもかかわらず、これまでと同じやり方を踏襲し続けていること。世の中の変化を感じていないので、行動が変わらないのは当たり前かもしれません。

  1. 大胆な新しい取り組みに意識が向かない

転換期には思い切った発想の転換や新規事業へ取り組みが有益になります。しかし、リスクを恐れて小さな行動にとどまり、大胆な活動に踏み出せないことがあります。世の中の変化量以上に変化させなければ対応できません。営業活動ならば、訪問だけでなく、オンライン商談、オンラインセミナー、もしくはリアルセミナーを有効的に活用しているところが伸びています。新しい集客の動線を引くことができるかがカギです。

  1. 新しい機会を見つけられているのか

市場環境の変化は新たなビジネスチャンスをもたらします。小規模でも商機が出てくるのです。こんなチャンスは数年に1度しかありません。しかし、目の前の業務に忙殺されてしまうと、残念ながら新しい機会を探索する余裕がありません。新しい機会のために余裕をつくる、時間をつくることも戦略のひとつです。

まとめ

転換期は、何も持っていなくても勝負できる時期です。そこに気がつく人が先に進んでいくでしょう。何もないから他ができない新しいことができるものです。抱えている人ほど保守的。成功体験も同じ。成功体験を抱えているからこそ保守的な行動しかしません。そのため転換期が数年続くと市場のプレイヤーは交代してしまうこともあるのです。これから、そんな時期が待っています。

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