アイデアキラーの存在
新しいアイデアを出しながらビジネスを展開させようとするとき、悩むのは①アイデアが出ないこと。その次に困るのは、アイデアは出るのだが、②アイデアを実践の前につぶそうとする人がいること。この2点です。アイデアをつぶそうとする人を「アイデアキラー」と呼んでいます。否定的なことを言ったりしながらアイデアつぶしをしてしまうのです。このような人がいると大きな障害となります。在籍年数が長く、活躍していない、ベテランスタッフやリーダーの中にもアイデアキラーがいるのではないでしょうか。
ある企業の取り組み
ある企業では、このアイデアキラーの撲滅に力を入れていたそうです。出されたアイデアをつぶすような言葉を使わないことを徹底していたのです。そのアプローチが他の成功事例と同じであり、有益な手段であることがわかります。
禁句とされた言葉
具体的には、以下のような言葉を禁句としていたそうです。
- 無理:「そんなアイデアは無理でしょ」「絶対無理です」
- 無駄:「今そんなことをするのは無駄です」「時間がないのでそんな無駄なことはできません」
- 前例がない:「今までやったことがないので・・・」「前例がないですよ、ウチの会社では」
上記のような言葉は過去にも聞いたことがあるのではないでしょうか。在籍年数の長いスタッフほどこのようなアイデアキラー発言をする傾向にあります。新しいことをしたくない、失敗したくない、現状維持が良い、といった感情が裏側にはあると思います。
ポジティブ思考への転換
この企業では「達成するためにはどうしたらよいか」という思考への転換をうながしていました。このアプローチは、問題解決志向の文化を醸成し、チームの創造性とモチベーションを高める結果につながります。とはいっても、簡単なことではなく、アイデアキラーの方のマイナスエネルギーは大きいのが普通なので、転換してもらうには時間がかかると思ったほうがいいでしょう。しかし、途中で断念したくなく、転換するまで取り組むのがここではポイントです。
実践するために
もちろん、すべてのアイデアが実現可能というわけではありません。しかし、最初から否定するのではなく、どうすれば実現できるかを考えることで、思わぬブレイクスルーが生まれる可能性があるものです。複数のアイデアの中に、ひとつだけ素晴らしいアイデアが生まれてくるのです。それまでは、否定しない、つぶさないことです。
まとめ
アイデアキラーの方は、正しいことを言っているつもりだと思いますが、新しいアイデアをつぶすことで自分の立場を悪くしたり、業績がアップしない結果を招くことになり、結局のところ自分が損をしていると思います。でも、その自覚はありません。そこがネックであり、大きな損失だと考えています。そのためにも、「無理、無駄、前例がない」という発言は廃止して、未来を語る言葉を増やすようにしていきましょう。
「『アイデアキラーの撲滅』、つまり考えを殺すような言葉を使わないことを徹底していた」マクドナルド
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1315W0T10C24A9000000/
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