機会を捨てている
「それは、できません」という言葉を、どれほど頻繁に耳にしているでしょうか。耳にするたびに、もったいないと感じることもあります。なぜなら、この「できない」という言葉を発すると、成長機会を捨てていることになるからです。成長の機会を自分で捨てているとは感じていないかもしれませんが、それを理解できれば、言わなくなるでしょう。
「できない」の正体
「できない」という言葉は、実はとても”便利な”言葉です。なぜなら、このひと言で、すべての行動を止め、可能性を閉ざすことができるからです。できない、と言えばやらなくてもいいですし、行動しなくてもいい。チャレンジもする必要がありません。「できない」と言えば、それ以上の努力を求められることもないのです。つまり、「できない」は一種の逃避手法なのです。
できるかどうか、わからないときもあります。その結果がわかるのは行動した後だけです。到達するか確約がないのに、行動するのはムダのようにも見えるかもしれません。そのムダを排除したいがために、「できません」というのでしょう。ムダを排除したつもりが、成長機会を捨てているという側面がここではあると思います。
「できない」の代償
この「できない」という言葉が組織にもたらす影響は、想像以上に深刻。それは以下のような形で出てきます。
- イノベーションの機会損失
- スタッフの成長機会の喪失
- 組織の競争力喪失
- チャレンジ精神の減退
なんとなく想像できる内容ですが、これが数年続くとかなりのダメージです。チームや部署に当てはめて考えても同じです。
「できる人」という幻想
「できない」と言う人は、「できる人」を特別な存在として位置づけています。「できる人」が持つ特別な才能を強調し、自分たちとは異なる存在だと認定することで、自らの「できない」を正当化しています。実際に、「そう思っていました」と言われたこともあります。できる人の事例を何度も説明しても入っていかないのです。自分ごととして聞いているわけではなく、自分と違う特別な人が成功した話にしか聞こえないのです。自分自身がそうなるとは思えないところに課題があります。
できるかも
できない、と言っている人が急に「できる」とは言いません。できると思えるようにはすぐにはなりません。そんなことは普通発生しないのです。そこには、時間をかけて「できるかも」と思えるような環境をつくってあげることです。人によっては本当に時間がかかることもあります。そのためには、伴走者が不可欠。ひとりでは無理なこともあるでしょう。
まとめ
「できない」は、実は「やりたくない」「怖い」「面倒だ」という感情の別表現であることもあります。リーダーは、この「できない」の裏側にある本質を見抜き、それを成長機会に変換していくことがポイント。それができれば、教育のプロになることができるでしょう。どのようなタイプのスタッフでも成長させられると思います。
——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆