はじめに
「申し訳ない」「ごめん」と謝り続けるリーダー。自分のミスが連発し、謝ることしかないようです。スタッフの前で何度も頭を下げています。
真面目で責任感が強く、問題が起きるたびに誠実に謝罪する姿勢は立派なようにも見えます。しかし、なぜかチームの雰囲気は徐々に悪化。
最近では優秀なスタッフが突然反発をするなど、問題が深刻化しているようです。なぜなのでしょうか。真面目にやっているのに信頼が醸成されないのです。
「謝りすぎる」の落とし穴
実は、過度な謝罪は逆効果になることがあります。なぜかわかるでしょうか。低姿勢なリーダーは謙虚にも見えます。感謝もしてますから問題もないように見えるのです。しかし、落とし穴があるのです。
スタッフから見える”違和感”
スタッフから見えている景色はちがいます。たとえばこんなことを考えています。
「また謝ってるだけで、何も変わらない・・・」
「自分を守ることしか考えていないのでは・・・」
「具体的な解決策が見えてこない・・・」
スタッフの本音を聞いてみると、上記ような声が聞こえてくるのです。これが本当の姿。リーダーはこう見えているのです。リーダー側が考えている自分と、スタッフから見えている姿はまったく違うのです。
解決しない3つの理由
問題が解決しないのには理由があります。その理由は下記のことが考えられます。
1)表面的な対応で終わってしまう
- 謝罪が目的化している
- 根本的な問題解決に至らない
- 同じ失敗が繰り返される
2)コミュニケーションが一方通行
- スタッフの意見を聞く機会がない、聞いたとしても受け止めていない
- 改善のアイデアが活かされない、実行されない
3)信頼関係が徐々に崩壊
- 「言うだけ」「謝るだけ」の印象になってしまう
- 具体的な行動がないので、だんだんとあきれてしまう
- スタッフのモチベーション低下が発生する。やる気のある人も下がってしまう
信頼されるために
では、どうすればいいのでしょうか。少し考えてみました。以下のポイントを意識すれば改善すると思います。急には改善しませんが時間をかけながら解決させていく感じです。
1. 初動対応
何か問題が起こったときに、何をすべきかではなく、やってはいけないことを知っておくといいでしょう。下記のことはやらない方がいいです。
- 感情的な謝罪を単に繰り返す
- 一人で抱え込む、情報を出さない、まわりに報告しない
- 問題を小さく見せようとしたり、なかったことにしたり
2. チームを巻き込む
謝罪リーダーを見ていると1人で抱え込む傾向にあります。いわゆる「人にお願い」ができないタイプです。人にお願いするのが「失礼」だと思っていたり、「忙しいところにお願いするのは気が引ける」という気持ちがあるようです。勇気を出して、
「この問題について、みんなの意見を聞かせてほしい。」
と投げかけることからです。謝る必要はないのです。
まとめ
結局のところ、重要なのは「謝罪」ではなく「行動」です。リーダーに求められるのは、結果のための行動だけです。それ以外にありません。いくら謝っても結果が出ないチームで満足するスタッフはいないのです。その事実を受け入れられないリーダーがひたすら謝っているのかもしれません。困難な環境やどうにもならない状況にあっても最善の策を見つけ解決に導いていく。それが理想形です。
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