変化する
脱炭素社会への移行を加速させる中、製造業界でも新しい取り組みが出ています。最近注目を集めているのが「グリーンアルミ」の製造です。従来のアルミニウム製造は、大量のエネルギーを消費し、環境への負荷が大きいとされてきました。しかし、この新しい製造方法は、その課題を解決する製造方法になっています。
グリーンアルミとは
グリーンアルミ(Green Aluminum)とは、『水力・風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーを使用して製造されるアルミニウム』です。従来の製造方法と変わることはないのですが、使用エネルギーが再生可能エネルギーを活用しているのです。製造時の環境負荷を低減するのが目的。それにより、環境に配慮した製造プロセスへ変化させたわけです。そこまで問われる時代になっているのがわかります。
CO2排出量のちがい
グリーンアルミの環境性能は、従来の製造方法と比較すると歴然としています。アルミニウム製造1トンあたりのCO2排出量を見てみましょう。
・石炭火力発電:約20トンCO2排出
・ガス火力発電:約11トンCO2排出
・水力発電:約6トンCO2排出
となり、石炭の1/3、ガスの1/2まで排出量を減らすことができます。
コストは上昇
ただ、コストは上昇してしまいます。過去3年間で調達コストが上昇しており、このコスト増は避けられない動きです。コストを増加させてでもクリアしなければならない課題となっているのです。
企業は自社で再生エネルギーの手配を考えています。再生エネルギーの設備を導入する企業もありますが、その一方でコストが高いので導入は見送り、再生エネルギーの手配だけにとどまるところもあります。
今後
再生エネルギーを使った製造は今後も増える見込みです。エネルギーにも種類があることを認識しながら経営をする必要が出ているのです。大きな潮流とはまだなっていませんが、そのような流れがあることは知っておく内容になるでしょう。再生可能エネルギーだけの工場も増えるのではないでしょうか
余談ですが、ゆりかもめの電車は再生可能エネルギー100%に切り替えています(2024年8月1日から)。他の業界も同じ動きをしているのがわかります。
まとめ
製造業はどこから資材を調達し、どのようにつくっているのかを問われるようになりました。仕入れる材料が海外からであっても、法的に問題のない製造をしたのか問われたり、調達するエネルギーも再生可能エネルギーなのかを問われる動きです。企業活動はすべてその判断基準で見られるような時期が来るのかもしれません。このような大きな、ゆっくりとした動きは外せないポイントとして見ておくべきでしょう。
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