業界ごと経営課題
直面する経営課題について、今回は6点を取り上げます。メーカー、製造業を対象にしています。経営課題は業界ごとにおおよそ決まってきます。そのため、傾向を知るのにも業界ごとの経営課題は知っておきたいところです。
1. 品質管理体制
品質管理の問題は、企業の信用に直結するポイント。品質トラブルやクレームの発生は、短期的な損失だけでなく、長期的な企業価値の毀損にもつながります。品質が上がるとプラスになるのは、コストが低減されること。品質を求めれば、利益向上にもつながることは忘れないでいたいです。
《具体的な対策》
- 品質マネジメントシステムの導入
- 品質基準の明文化と標準化
- 重要工程における検査ポイントの設定
- 検査担当者の教育・訓練プログラムの実施
2. 製造効率の改善
製造業では正確な原価計算ができていないこともあります。部品、工数の複雑化の場合は、1個あたりのデータが簡単には出ないこともあります。そのため、適切な利益確保が難しい状況に陥っています。効率を追求するなら原価の把握の仕組みが不可欠です。
《具体的な対策》
- 原価管理システムの導入
- 工程別コストの可視化
- ボトルネック工程の特定と改善
- 作業標準の確立と徹底
3. 経営管理体制の強化
経営に必要な情報が社内に分散していると、適切な意思決定が困難になります。最近は人の集約化を進めている企業もあり、情報が現場にないケースもあります。逆に現場の情報が本部に伝わっていないケースもあるのです。
《具体的な対策》
- 基販売・在庫・生産情報の一元管理
- リアルタイムでの経営指標の把握
- 効率的な報告体制の構築
4. 営業力の強化
営業力の不足は、共通する課題です。システマティックな営業活動の実現により、安定的な受注確保を実現していきます。課題は多いです。理由は人に依存しているからです。これは20年以上前から同じ課題を提唱されている事実から、今でも解決が実現していないことが理解できます。
《具体的な対策》
- CRMシステムの活用
- 顧客情報の一元管理
- 商談進捗の可視化
- 営業プロセスの標準化
- 成功事例の共有
- 効果的な営業トーク集の作成
5. 商品開発力の向上
顧客ニーズを的確に捉えた商品開発は、企業の持続的成長には不可欠。しかし、顧客ニーズをつかめないこともあり、簡単ではありません。市場調査も外れることがあるので、市場の声を正確に集めることがノウハウになります。
《具体的な対策》
- 市場調査の強化(正確性の追求)
- 競合製品の分析
- 開発プロセスの確立
まとめ
このように製造業では課題が明確になっています。また20年経っても解決されない課題もあります。解決しない課題を知っておけば、製造業の経営改善はわかりやすくなるでしょう。他の業界でも似ている部分があるので、知っておいて損はありません。
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