0.5%になった

日銀が金融政策決定会合で政策金利を0.5%に引き上げを決定しました。もともと発言されていた内容と同じです。日銀の植田総裁の記者会見内容を見ると、金融の正常化へなるべく早い段階で戻したいという意思を感じます。イレギュラーな金融政策が基本的には嫌なのでしょう。今後の予測が不確実になってしまうイレギュラーな状態よりは、伝統的な金融の状態へ移行させたいと考えていると思います。さらに利上げを検討したいという発言もあり、正常化への時期を早急に見出したい意向だと思います。

今回の発言の中で中立金利について触れられていました。中立金利とは、緩和でもなく引き締めでもない金利の水準です。日銀総裁は、政策金利が0.5%になっても中立金利からは相応の距離があると発言されています。実際、中立金利は現在どの程度なのか調べてみると1%から3%の間になっています。おそらく日銀もそのような試算をしているのでしょう。そのため0.5%程度であれば、中立金利からはまだ程遠いと考えているわけです。まだ金利を上昇させることができる余地があると遠回しに示唆しています。

・中立金利とは、景気や物価に対して緩和的でも引き締め的でもない実質金利を意味する「自然利子率」に期待インフレ率を加えたもの
・試算によると、中立金利は1.3%から2.8%となった

【日銀追加利上げ】中立金利は1~3%程度、政策金利になお上げ余地
https://www.jcer.or.jp/research-report/20250124-3.html

金利上昇すると

金利が上昇すると、経済の動きは鈍化します。借り入れに対する金利が高くなるからです。お金の流れが鈍くなると考えて間違いはありません。ただ、まだそれほど大きな利上げではないので、大きな影響は出てこないでしょう。部分的に影響が出る業界はあると思います。住宅ローンの金利が上昇すると、住宅の売り上げが落ちると予想されると思いますが、実は逆だと考えています。金利が上昇するときほど、住宅を購入する人の決断が速くなるのです。決断が遅くなればなるほど返済額が増えていくので、住宅を手に入れたいと考えている人はすぐ決めることになるのです。しかし、住宅を手に入れることを諦める人の割合も増えていくので、その点が気がかりです。

まとめ

今回の利上げで、2024年から日本が利上げサイクルに転換し、2025年も利上げを継続していく姿勢が明確になりました。また今後も利上げする予定があることを明言しているので、海外から見ても日本の姿勢がわかりやすくなったと思います。先進国の中で日本だけが利上げを遅らせていました。これで日本も利上げサイクルに入ったので、グローバルな金融市場にお金を供給する国はほぼなくなった状態になったわけです。これが少なからず影響与える可能性もあり、今後のグローバル金融市場が変わるのではないかという予測もあることだけは覚えておきたいです。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)

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