統合が白紙に
日産とホンダの統合が白紙になりました。予想通りです。というのも、最初の合同記者会見が行われたときの雰囲気が友好的ではなかった。どちらかといえば、経産省に言われて、とりあえず記者会見しました、といった雰囲気が出ていたからです。お互いに相思相愛ではなく、外圧に押されて統合へ向けた話し合いをするポーズをしただけだと思います。それが、統合白紙という結果になったのでしょう。
交渉の流れ
今回は、ホンダが日産に対して主導権を握っていました。統合する必要性が低かったからです。日産は統合によって業績を回復したい意向があったのです。交渉は主導権がある側が、「ハードなオファー」をするものです。今回もホンダは日産に対して「子会社になってくれるなら統合してもいいですよ」と伝えた。それを日産は対等な統合ではないので、はっきりとお断りしたのです。この交渉内容も冒頭の記者会見のときから想像できた内容であり、その文脈上で動いただけです。決まっているストーリー通りに行動しただけであり、形式上の話し合いだったのではないでしょうか。
- 交渉の主導権をどちらが握っているのか
- 交渉のカードはどちらから出てくるのか
- 最初の交渉の内容はハードなオファーから始まる
- 主導権を持っていない側は受け入れるか拒否するかの2択しかない
予測
企業同士の交渉は、スタート時にメディアに掲載されることがあるので、そのときに交渉ストーリーを予測する習慣があると、交渉力がアップしていきます。お互いの交渉カードを予想し、どちらが先にその交渉カードを出してくるのかを予測するのです。今回は、日産側から交渉カードを出すことはできない状況でした。ホンダ側は余裕をもって交渉カードを出してきたのです。だから初期段階で決着がついてしまったのです。
まとめ
同じ業界にいても企業が違うのであれば、文化も違いますし、技術も違います。統合しても数年間は馴染めないものです。今回の統合は最初から無理があったのではないでしょうか。違和感を最初の段階で感じたからです。ただ、プロセスとして統合に向けた話し合いは必要だったと感じます。今後は、ホンダと日産は独自の道を歩みます。日産は外資と統合する可能性も高くなりました。買収されるシナリオも描かれています。ホンダは戦略の方向転換を迫られる可能性も高いです。次の新車が売れるかどうかで転換を考えるのではないでしょうか。業界再編がスタートしていると感じます。
(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)
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