停止されるSkype

ビデオ通話アプリSkypeが5月でサービスを終了します。21年前からサービスを提供していました。当時のことを思い出すと、Skypeは画期的なサービスでした。ネット回線につないでいれば、海外と電話ができたからです。しかも無料だったのです。試しに、海外に住んでいる知り合いとSkypeを通して話をした経験があります。その当時、海外の電話は非常に高額でした。安い回線のプリペイドカードもありましたが、安いといっても国内の通話に比べれば値段が高かったのです。今でこそ通話はアプリ経由で無料になっているのが当たり前ですが、無料通話を普及させたのがSkypeだったのです。印象に残るサービスとして記憶されています。

一本化

Skypeは、2011年にMicrosoftに6500億円で買収されました。その後、オンライン通話のサービスとしては競争に負けてしまい、オンラインミーティングはZoomの利用が増えています。マイクロソフトは、Skypeとは別に「Teams(チームズ)」をリリースしており、今回は、「Teams(チームズ)」のサービスに一本化するためにSkypeのサービスを停止するのです。サービスラインナップを再構築させ、「Teams(チームズ)」に集中させることでZoomに対抗する戦略だと感じます。

シェア拡大を目指す

サービスが複数に分かれてしまう場合、一本化して競争優位性を高めることはよくあることです。企業の提携や合併も規模はちがいますが目指す内容は同じです。一本化することで、スケールでき、競争相手に対抗できるようになるからです。シェア争いをしなければならない領域では、このようなシェア拡大を目指すことになるのです。

メリット

サービスをひとつにまとめることによるメリットをまとめてみると次のような内容になります。

1)開発リソースの集中
複数のサービスに分散していた技術者やデザイナーが一つのプロダクトに集中することで開発のスピードが上がります
2)マーケティング効率の向上
単一ブランドへの集中により、広告やプロモーションの効果が高まり、顧客認知度も向上します
3)ユーザーエクスペリエンスの統一
複数のアプリやサービスを使い分ける必要がなくなり、ユーザーの操作はシンプルになり楽になります

まとめ

高額で買収したサービスを停止する決断は、それ以上の結果を得るための選択だったと思います。社内でも議論があったことでしょう。このような決断は「全体最適」を目指さなければ決断に迷いが生じます。決断できないこともあるでしょう。そのため、重要な決断のひとつだと感じました。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)

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