4つ概念

地理学には、
・絶対距離
・時間距離
・経済距離
・感覚距離
の概念があります。このような「距離」という概念の中に4つの種類があることを知っておくのは損はないと思います。なので今回は、この4つの距離の概念について解説したいと思います。

絶対距離

絶対距離とは、2点間の物理的な直線距離のことです(物理距離)。地図上での最短距離であり、キロメートルやマイルなどの単位で測定されます。例えば、東京から大阪までの絶対距離は約400kmです。この距離は変化することがなく、純粋に地理的な位置関係を表します。

時間距離

時間距離とは、ある地点から別の地点へ移動するのにかかる時間のことです。交通手段や交通網の発達によって大きく変わります。例えば、東京-大阪間は新幹線で約2時間30分、飛行機で約1時間、車で約6時間半というように、同じ2点間でも交通手段によって時間距離は異なります。交通技術の発展により、時間距離は縮小傾向にあります。しかし、日本においては、交通網が途切れているエリアもあるので、距離が少なくても時間がかかるエリアがあります。東京から時間距離がかかるエリアとしては、京都府京丹後市が事例としてあがることがあります。

経済距離

経済距離とは、2地点間の移動や物資の輸送にかかるコスト(費用)を表す概念です。同じ絶対距離でも、地形条件(山岳地帯か平野か)、インフラ整備状況、燃料費、通行料金などによって経済距離は変化します。例えば、高速道路料金が高い区間や、輸送に特別な条件が必要な場合は経済距離が大きくなります。移動手段が飛行機しかない場合も同様に経済距離が大きくなるのです。

感覚距離

感覚距離(心理的距離)とは、人が主観的に感じる距離感のことです。情報量、過去の訪問経験などによって大きく左右されます。たとえば、同じ距離でも、行ったことのない場所は遠く感じ、何度も訪れた場所は近く感じることがあります。同じ時間数でも感覚がちがうのです。おそらく、初めての場所に行くときは、知らない道を通るので脳を使うのでしょう。疲労とともに、時間数も長く感じると思います。

まとめ

距離によっても種類がある。それだけを知っておけば、視点が増えます。距離が近いから、すぐに行けると判断するとまちがってしまいます。人口が少ないエリアでも大渋滞が発生する場合もあります。近くに移動するにしても、橋を渡る必要があれば時間はかかってしまいます。物理的な距離だけでなく、かかるコスト、時間、他にも感覚として遠く感じることも考慮すべき。ビジネスにおいては、店舗の場所や集客を考えるときに、この4つの視点は欠かせないのです。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)

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