2つのポイント

人はどのような人に惹かれるのでしょうか。なぜ特定の人物に憧れや敬意を抱くのでしょうか。今回は、そのメカニズムを考えていきます。参考書として、ジョン・ネフィンジャーとマシュー・コフートによる著書「人の心は一瞬でつかめる」から取り上げます。ハーバードビジネススクールの必読書、というキャッチコピーがつけられた書籍です。

この書籍の中で2つの特性が取り上げられています。
・「強さ」
・「温かさ」
です。この2つの特性を兼ね備えた人は、周囲から自然と敬意と憧れを集めるのです。人を惹きつけるポイントは強さと温かさなのです。この強さと温かさに着目して進めていきます。

「強さ」の二つの要素

「強さ」とは単に肉体的な強さだけでしょうか。そうではありません。身体的な強さだけを指すわけではないのです。真の強さは次の2つの基本要素から成り立っています。

  1. 世界を動かす「能力」 :
    知識、スキル、専門性、問題解決能力など
  2. 「意志の力」 :
    決断力、忍耐力、信念を貫く姿勢、困難に立ち向かう勇気

上記の2つになります。これらの要素を持つ人は、周囲に「この人は何かを成し遂げることができる」という印象を与えます。ただ、強さだけでは人の心を完全に掴むことはできません。

「温かさ」の三つの感情

もうひとつのポイントである「温かさ」は人間関係の潤滑油ともいえる特性です。測定ができなさそうな領域であり、判断がなかなかできないポイントです。ただ、次のような3点が、人に温かさを感じさせる感情になります。

  1. 「共感」:
     他者の感情や立場を理解し、受け入れる能力
  2. 「親しみ」:
     距離感を縮め、心地よい関係性を築く親近感
  3. 「愛」:
     無条件の受容と相手を大切に思う気持ち。好き嫌いがない状態。敵味方をつくらない

これらの感情を示す人ほど、「この人は自分のことを理解してくれる」「この人は大切にしてくれる」という安心感を他者に与えます。簡単そうで、できない領域でもあると感じます。仕事のスキルが高くでも、この温かさに欠けていることが多いのではないでしょうか。

なぜ「強さと温かさ」の組み合わせが重要なのか

「強さ」だけを持つ人は、仕事上で尊敬はされても、親しみは感じられないかもしれません。また、成績の良い人であっても、好き嫌いで人を区別してしまう人には人は集まりません。一方、「温かさ」だけを持つ人は、好かれても、リーダーシップや影響力の面では弱く見られがちです。達成できないリーダーになるでしょう。それが、この2つの特性をバランスよく兼ね備えていると、周囲の印象はちがうのです。自然と人を惹きつける磁石のような存在になっていくのです。

まとめ

「強さ」と「温かさ」は、一見すると相反する特性のように思えるかもしれません。しかし、真に人の心を掴む人には、この2つの特性をバランスよく兼ね備えているのです。その点を理解しておきたい。仕事の専門性という「強さ」を持ちながらも、共感と愛情という「温かさ」も忘れない。そんな人物になることを目指すのがベストです。まわりにいる、敬意と憧れを抱く人物を思い浮かべてみてください。その人は「強さと温かさ」のバランスが取れているのではないでしょうか。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆 from2011