「3つのC」との闘い
あるグローバル企業が徹底して守り続ける企業哲学。それは「3つのC」です。
・Complacency(自己満足)
・Conservation(現状維持)
・Conceit(うぬぼれ)
という3つと闘い続けることで、革新性を失わない企業文化を築こうとしています。現在この企業、絶好調ではないのですが、普遍的な内容なので取り上げます。
①Complacency(自己満足)
企業にとって危険なワナの一つが「自己満足」。一度成功を収めると、その成功体験に安住し、新たな挑戦を避けるようになりがちです。「これでビジネスは完成した」と錯覚することもあります。売上が好調な状況では、「なぜ変える必要があるのか」という思考に陥りやすくなるのです。そんな方はまわりにいませんか。
ただ、ビジネス環境は常に変化しています。今日の成功が明日以降も続く保証はどこにもありません。自己満足を避けるために取り組んでいる施策の例として、以下のようなものがあります。
- 継続的な刷新:
定番製品を守りながらも、常に新しい製品・サービスを開発導入することで、顧客に新鮮な体験を提供し続けること - 顧客体験の進化:
顧客が集まる場所をつくり、「サードプレイス」として、くつろげる空間づくりを追求し続けること - スタッフ教育への投資:
スタッフの技術向上と知識拡大のための継続的な教育プログラムを実施していくこと
業績が下降しているときには、「わたしたちは成功に酔いしれ、本来の価値を見失っていた」とトップが語ったこともあります。現在の位置を客観的にわかるようにするためにも、「自己満足していないか」と自問自答することは、やはり大切です。
②Conservation(現状維持)
現状維持の誘惑が組織にはあります。企業が一定の規模に達すると、「現状維持」という強い誘惑に駆られます。既存のビジネスモデルや過去の成功パターンを守ることに集中するあまり、新しい可能性を探索することを怠りがちになります。新しいことを実施するリスクよりも、確実性の高い現状維持を選びがちなのです。他の手法を試しながら、現状がベストならば問題ありません。しかし、他を試さず、現状がベストと言っていること自体、おかしいと気がつくべきです。
③Conceit(うぬぼれ)
成功企業が陥りやすい第三のワナが「うぬぼれ」です。市場での優位性を築いた場合、自社の判断や能力を過信し、顧客の声や市場の変化に対して鈍感になりがちです。「業界をリードしている」「顧客のニーズを誰よりも理解している」という思い込みが、客観的な視点を失わせることになります。他にも、他社の動向についてもチェックしなくなる傾向もあり、うぬぼれが大きな後退を招くこともあるのです。このうぬぼれは、気づいたときには手遅れという事態に陥りかねません。
おわりに
「3つのC」である、Complacency(自己満足)、Conservation(現状維持)、Conceit(うぬぼれ)との闘いは、決して終わることのない永続的なプロセス。3つのCとの戦いと呼ばれるのには意味があると感じます。調子が良いときほど、3Cを忘れないようにしたいです。
(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)
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